外商投資企業の分枝機構(支店・出張所) 掲載日:2008年9月3日
2014-10-28掲載日:2008 年 9 月 3 日
外商投資企業の分枝機構(支店・出張所)
外商投資企業は、中国内に分枝機構を設置する事ができます。
分枝機構には、支店(分公司)と出張所(弁事処)の 2 形態がありますが、分公司は営業活動が認められる形態、弁事処は営業活動が認められない形態を言います。
1.出張所(弁事処)
弁事処は、営業活動が認められず、連絡活動のみに従事する組織です。
2006 年より外商投資企業の弁事処の登記が認められなくなり、開設制限が行われたのかと騒がれましたが、国家工商行政管理局が、以下の通り執行意見を公布して、状況整理を行っています。
- 登記機関が、外商投資企業の出張所(弁事機構)の登記を受理しない事が、大きな関心を集めている。
国家工商行政管理局の関係者は、以下の通り表明している。
わが国の法律は、出張所の開設を禁止していない。今回の動き(出張所登記を受理しない)は、実際には、外資企業が営業活動を行わない出張所の開設を、より簡便にするものである。
既存の出張所は、今後も継続できるし、営業活動を行う分公司に転換(新規開設)する事もできる。
会社登記機構は、出張所が営業活動に従事する事を防止する為に、一層、監督管理を強化しなくてはならない。
つまり、外商投資企業の弁事処は、工商登記無しで開設できるという事です。
但し、前述の通り、弁事処の活動は連絡業務に限定されていますので、営業行為を行う場合は、分公司に転換する必要があります。
2.分公司
分公司は営業活動が認められた分枝機構形態であり、本店(外商投資企業)の営業範囲内の活動を行う事ができます。
外商投資企業の国内分公司の開設手続は以下の通りです。
- 分枝機構のオフィス物件に関する賃貸契約の締結と、国土房産局での登記。
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- 分枝機構開設にかかわる本社(外商投資企業)の董事会決議
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- 本社(外商投資企業)の所管である、工商行政管理局に分枝機構の開設を申請し、通知書(外商投資企業異地増設分枝機構・弁事機構通知書)を発行してもらう。
通知書とは、本店所管の工商行政管理局より、分枝機構開設予定地所管の工商行政管理局に対する、分枝機構開設手続依頼通知の事です。
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- 分枝機構開設予定地の工商行政管理局に必要書類を提出して開設申請
必要書類とは、申請書、本店の分枝機構開設に関する董事会決議、本店所管の工商行政管理局の通知書、分枝機構の責任者に関する書類、賃貸契約書、本店の営業許可証副本等を指します。
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- 分枝機構の所管工商行政管理局で開設登記