【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.72
2016-12-06**【水野真澄セミナー情報】
**MCHグループ主催 ベトナムビジネスセミナー
**【水野真澄関連商品】
**■ 新刊「中国外貨管理マニュアル Q&A2016 年改定版**」のご案内**
■ その他
【中国ビジネス・トレンド】
**
**外資企業設立・登記内容変更の備案制移行
** 2016 年 10 月 1 日に三資企業法の改定が実施され、外資企業の設立、登記変更手続の規制緩和が実施されました。
これは、一定の外資企業に対して、従前の商務主管部門での許可取得を廃止し、オンラインでの報告のみとするものです(ネガティブリスト管理・備案管理への移行)。
今回の規制緩和が実務に与える影響を解説します。
**1.三資企業法の改定と届出制への移行
** 三資企業法(外資企業法・中外合資企業法・中外合作企業法)が 2016 年 10 月 1 日に改定され、同日、「外商投資企業設立・変更備案管理暫定弁法(商務部令 2016 年第 3 号)、以下、備案管理弁法」が施行されました。
三資企業法の改定は非常に簡単なもので、従前の内容に、「参入特別管理措置に該当しない場合、設立・登記変更・経営期限の変更に付いては、審査許可事項を届出管理に移行する」という内容が追加されたものです。
制度変更(規制緩和措置)の対象となるのは、「発展改革委員会・商務部公告 2016 年第 22 号」に、外商投資産業指導目録(2015 年改定)の制限類・禁 止類、及び、奨励類で出資比率・高級役員に規制が無いものと規定されています。つまり。奨励類・許可類で、特段の出資比率制限や、高級管理職に関する要求 (外国人の就任制限等)がない場合、設立や登記変更に関して商務主管部門の許可審査は不要となり、備案(届出)手続で対応できる事になりました。
**2.備案手続
** 備案の手続ですが、設立に付いては、備案管理弁法第 5 条に、「営業許可発給前、若しくは、発給後 30 日以内にオンラインで届出を行う」事が規定されています。
また、合併・分割・出資比率変更・増減資・経営期限の変更等の登記変更事項に付いては、同第 6 条に、「変更が生じた後、30 日以内にオンラインで届出を行 う事」が規定されています。つまり、従前は、商務主管部門に事前許可申請をしなくてはならなかったものが、事後のオンライン報告のみで対応できるようにな りました。
**3.実務面での影響
** 今回の制度変更で、奨励分類・許可分類の大部分に付いて、商務主管部門の許可取得が不要となり、備案制に変更されます。備案制の意義 は、提出書類に相違が無ければ審査不要で受理されるというものですが、非貿易項目の送金(税務機関での備案)や、技術輸入(商務主管部門での備案)等の様 に、備案時に審査が行われ、許可審査と実質的な状況が変わっていない事例も有ります。よって、今回の制度変更も、今後の実務状況を確認する必要があります し、対象となる行為(設立、合併・分割、増減資等)によっても、規制緩和の影響は異なると思われます。
この様に、現段階では不透明な部分が有り、筆者の私見に基づく面もありますが、各種の登記業務に関する制度変更の影響を解説します。
尚、ネガティブリスト管理・備案管理制度は、自由貿易試験区で先行して試行されていますので、その運用状況も参考にしています。
**1)外資企業の設立
** ネガティブリスト以外の外資企業を設立する場合、工商行政管理局での社名登録後に、直接(同じく工商行政管理局で)営業許可証の取得手続ができるようになりました。
商務主管部門での手続(オンラインでの備案)は、その間、若しくは、営業許可証取得後 30 日以内に行えばよくなりますので、理論的には、商務主管部門が行政指導を行うステップが無くなり、実質的な規制緩和につながる可能性は高いと思われます。
勿論、従前より審査が不要で、直接、法人登記を行う事ができた内資企業でも、工商行政管理局より 10 万元程度の資本金を指導される事例が少なくありませんでした。
この様な指導が、社名登記時に実施される可能性は有りますが、外資であるがゆえのより高額な資本金要求は少なくなると思われます。
上海自由貿易試験区にヒアリングしましたが、外資企業に対する資本金額の行政指導はしないと回答していますし、今までの当社の経験でも、常識的な金額を設定した場合、行政指導を受けていません(10 万元未満の案件については、対応経験がない状況です)。
2014 年の会社法改定で最低資本金制限が撤廃され、商務部令 2015 年第 2 号等で、業法の最低資本金制限の撤廃が進む状況の中で、今回の制度変更により、資本金規制の実質的な緩和が進む事が期待されます。
また、商務主管部門の審査が免除された事で、申請書類の中で、一番手間がかかるフィージビリティスタディ(可行性研究報告)の作成が不要となる点は、業務の合理化に役立ちます。
因みに、商務主管部門での備案のタイミングに付いて、上海市内の工商行政管理局(浦東新区・自由貿易試験区・徐匯区・黄浦区・長寧区)にヒアリングしまし たが、共通して、「設立に関しては、営業許可発給前の商務主管部門での備案を行う事を推薦する」との回答ではありました。
では、今回の制度変更により、どの程度の設立期間が短縮されるのか、という点ですが、奨励分類・許可分類の非生産型外資企業設立(販売 会社等)の場合、全行程は 4 ヶ月程度、その内、商務主管部門の審査に要する時間は 3 ~ 4 週間程度という状況です。この部分が短縮されますので、1 ヶ月程度 の所要期間短縮が期待できます。
ただ、それ以外の登記(税務、税関、外貨、その他)に付いては、従来と同様ですので、この部分の短縮は期待できません。
2)増減資
増資に付いては、従前より認可取得に問題が生じる事はまずなかったので、難易度の面では変わりませんが、商務主管部門の認可取得に要する手間と時間の簡略化は確実に実施されると思われます。
一方、減資に付いては、従前は、有償・無償を問わず、商務主管部門の許可取得が極めて難しい状況でした(財務状況不十分な状況下の減資は原則不可であるため、無償減資の方が、より実行困難)。
これが、資本金額の変更後に商務主管部門に報告すれば良くなるため、減資の対応可能性が高まる事が予想されます。ただ、この点に付いては、今後の実務運用状況を確認する必要があります。
3)区外への住所移転
従前より、区を跨ぐ移転は対応困難(市を跨ぐ移転は原則不可)でしたが、この理由は税務機関の対応によるものでした。
税務所管は区単位ですので、所管を跨ぐ移転を行う場合、移転前の区で税務調査を受け、税務登記を抹消した上で、移転先で新規の税務登記を行う必要が有りま す。新規の税務登記は数日で終了するのですが、問題は課税権を喪失する移転元の税務機関での登記抹消申請受理・税務調査・抹消という手続で、これが受理さ れない、若しくは長引くと、移転できない、発票が起票できない空白期間が長期に渡り発生する、という事態が生じます。
よって、今回の制度変更は、税務機関の手続変更を伴いませんので、住所移転には規制緩和が期待できないと思われます。
4)撤退
中国の会社清算手続は 1 年以上の時間を要するもので、難易度が高い業務の一つです。ただ、撤退に関しても商務主管部門の許可は従前より 1 ヶ月程度で取得でき、この段階で問題が生じる事例はあまり多くありませんでした。
実務上の困難が発生するのは、労務、税務、税関対応等であり、この点は、今後も同様と思われます。
**5)合併・分割
** 合併・分割は、商務主管部門の許可取得が相対的に難しい分野でしたので、この点は、規制緩和の恩恵が期待できます。
但し、合併・分割は、組織再編場多くの検討点が有りますので(特に、税務、税関対応)、この点に付いて慎重な対応が必要となる事は、今後も変わりません。
以上
**【水野真澄セミナー情報】
****■ MCH グループ主催 ベトナムビジネスセミナー**
弊社は ASEAN 最初のグループ拠点として、ベトナム・ホーチミンに現地法人「MizunoConsulting Vietnam Company Limited」を設立し、ベトナムでのビジネスコンサルティングサービスを開始いたしました。
今回、ベトナムへの進出を検討されていらっしゃる企業様も多いことから、ベトナムビジネスセミナーを開催する運びとなりました。
第 1 部は、水野コンサルティングベトナム執行役員の安藤崇が「ベトナム概況・投資環境、ベトナム進出形態」について、第 2 部は、Mizuno Consultancy Holdings Limited 代表の水野真澄が「中国の制度と比較したベトナムの会社制度・中国からのベトナム進出・拠点設立時の注意点」について、解説いたします。
ご参加希望の方は、本メール下部よりお申し込みください。
セミナー日時:
2016 年 11 月 1 日(火) 14:00 ~ 16:00(受付 13:45 ~)
テーマ: 「ベトナムビジネスセミナー」
14:00 ~ 15:00 第 1 部 「ベトナム概況・投資環境・ベトナム進出形態」
講師:Mizuno Consulting Vietnam Company Limited 執行役員 安藤 崇
15:10 ~ 15:50 第 2 部「中国の制度と比較したベトナムの会社制度・中国からのベト
ナム進出・拠点設立時の注意点」
講師:Mizuno Consultancy Holdings Limited 取締役社長 水野 真澄
15:50 ~ 16:00 質疑応答
会場:TKP 上海人民広場カンファレンスセンター
上海市黄浦区黄河路 333 号 2 楼
http://tkpshanghai.net/jinminhiroba/access.shtml
費用:無料
定員:60 名
お申込み:
Email にて下記事項を、seminar@mizuno-ch.com まで、お申し込みください。
※ご参加いただく方のお名前、E-MAIL はご参加者全員分をご記入ください。
【会社名】
【氏 名】
【電 話】
【E-mail】
※申込期限:10 月 28 日(金)
定員に達した時点で締め切りとさせて頂きます。
皆様のお申し込みをお待ちしております。
セミナーに関するお問い合わせは以下までお願いいたします。
Mizuno Consultancy Holdings Ltd.
E-Mail: seminar@mizuno-ch.com
担当:横幕、水嶋
**■ 最新刊「中国外貨管理マニュアル Q&A2016 年改訂版」
** 2013 年夏の前作発売以降も、めまぐるしい中国外貨管理制度の変更がありましたが、今回これらをすべてキャッチアップし、3 年ぶりに全面改訂を行いました。
書籍の構成は大変好評をいただいた Q&A の方式を踏襲し、複雑な中国の外貨管理(全 100 問)を一問一答で分かりやすく解説しています。
また、外貨管理だけではなく、クロスボーダー人民元決済、近年開始された資金集中管理(ネッティング・双方向プーリング)制度についても概要と活用方法を紹介しています。
【商品情報】
執筆者:水野真澄
制作・発行:株式会社チェイス・チャイナ
定価:3,800 円+税 MCH 会員様価格:3,500 円+税
※香港売価格:一般 437 香港ドル MCH 会員様価格:350 香港ドル
※中国で購入を希望されるお客様はinfo@mizuno-ch.com へお問い合わせください。
収録内容の詳細、購入のお申込みはこちらから
https://www.mizuno-ch.com/modules/bulletin/index.php?storytopic=4
中国ビジネス初心者の方に、法律と実務のポイントをわかりやすく、明快に解説するのが『ステップワン』シリーズです。
第 1 作 詳細ページ http://chasechina.jp/item/4621
最短距離で中国ビジネスを俯瞰するための、担当者様向け初級マニュアルです。
中国進出・組織再編・撤退、貿易・ビジネスモデル、外貨管理・クロスボーダー人民元、国際税務に関する事項を網羅しています。
【商品情報】
B5 版/160 ページ
著者:水野真澄
定価:2,400 円+税 MCH 会員様価格:2,000 円+税
※香港売価格:一般 300 香港ドル MCH 会員様価格:200 香港ドル
※中国で購入を希望されるお客様は下記へお問い合わせください。
第 2 作 詳細ページ http://chasechina.jp/item/4835
中国の会計・税務にスポットをあて、会計編では、中国会計制度の特徴と実務上考慮すべき点について、企業会計制度と新会計準則の相違点や企業所得税法との関係を踏まえて解説しています。
税務編では、中国の主要な税金である、企業所得税・個人所得税・増値税・営業税・消費税・付加税の各ポイントを解説しています。
【商品情報】
B5 版/128 ページ
著者:水野真澄
初版発行日:2015/9 月
定価:2,400 円+税 MCH 会員様価格:2,000 円+税
※香港売価格:一般 280 香港ドル MCH 会員様価格:200 香港ドル
※中国で購入を希望されるお客様は下記へお問い合わせください。
【お申込み・お問い合わせ】info@mizuno-ch.com (担当:横幕)
■ 好評発売中 『中国・増値税の制度と実務』
現在進行形で改革が進む中国の増値税制度。
従来の『財貨の増値税』に加え、営改増試行措置の一環として営業税から増値税課税に切り替えられた『役務の増値税』について、その基礎と応用を実務の視点でわかりやすく解説します。
なぜ小規模納税人からの調達が敬遠されるのか・・
非居住者が中国企業に増値税課税役務を提供した場合の税コストはいくらになるのか・・
返品や値引きが発生した場合の発票修正方法は・・
輸出における免税とゼロ税率の違いは・・
国際輸送を行う貨運代理会社の増値税免税適用手続きは・・
流通税改革が進められる背景には何があるのか・・・etc.
増値税制度に関するより深い理解と情報のアップデートに本書籍をご活用ください。
なお、本作の附属資料として・重要法令の日中対訳・中国税務の実務書類各種フォーマット(日中対訳)・増値税システム画面参考画像集を収録しております。
【商品情報】
詳細ページ http://chasechina.jp/item/4624
A5 版/256 ページ
著者:水野真澄
制作:株式会社チェイス・チャイナ
定価:3,800 円+税 MCH 会員様価格:3,500 円+税
※香港売価格:一般 435 香港ドル MCH 会員様価格:350 香港ドル
※中国で購入を希望されるお客様は下記へお問い合わせください。
【お申込み・お問い合わせ】info@mizuno-ch.com (担当:横幕)
**■ 好評発売中 『中国における PE 課税の理論と実務』
** 国際税務の重要な概念、恒久的施設(Permanent Establishment)は中国でも適用されていますが、その運用はますます複雑化しています。最新の知識がないと突然の課税に対応しなくてはならなくなるリスクが存在します。
本書では恒久的施設(PE)認定の理論と対応策を分りやすく解説。さらに資料編として中国 PE 認定・課税に関する中国国内法 16 の原文と日本語訳を掲載。 出張者(技術指導)・出向者の派遣、非居住者在庫、請負工事、コンサルティング役務遂行など豊富な実例を丁寧に解説します。
【商品情報】
詳細ページ http://chasechina.jp/item/3210
著者:水野真澄
発行者:株式会社チェイス・チャイナ
日本国内発売元:キョーハンブックス
定価:8,400 円+税 MCH 会員様価格:7,200 円+税
※香港売価格:MCH 会員様価格:750 香港ドル
※中国で購入を希望されるお客様は下記へお問い合わせください。
**≪ 新刊発売キャンペーンとして、10 月 31 日までに本商品を申込みいただいた場合、該当価格から 30%OFF にて販売致します ≫ **
【お申込み・お問い合わせ】info@mizuno-ch.com (担当:横幕)
**■ 好評発売中 『DVD 中国会計制度(初級編)』
** 弊社代表水野真澄が総監修する「中国会計制度」の DVD 講座です。
中国会計制度の大前提となる「会計法」、「企業会計制度」、「新会計準則」にはじまり、「発票主義」、「三項基金」、「委託貸付」など、中国ビジネスに携わるうえで必須となる会計知識を多数ピックアップし、丁寧に解説します。
また付属資料には、講座のレジュメの他に 2000 年 7 月に改正施行された中華人民共和国会計法の日本語訳も加え、充実した内容となっています。
【商品情報】
詳細ページ http://chasechina.jp/item/3958
監修・解説者:水野真澄
テキスト作成者:中国税理士 楊紅
定価:18,000 円+税 MCH 会員様価格:10,000 円+税
**≪ 新刊発売キャンペーンとして、10 月 31 日までに本商品を申込みいただいた場合、該当価格から 30%OFF にて販売致します ≫ **
【お申込み・お問い合わせ】info@mizuno-ch.com (担当:横幕)
**【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版発行者
**MizunoConsultancyHoldingsLtd.
WEB サイト https://www.mizuno-ch.com
このメールマガジンは弊社関係者と名刺を交換させていただいた方、その他ご縁のあった皆様に発信させていただいております。
今後、このメールマガジンの配信が不要な場合は、誠にお手数ですが、下記メールアドレスへ配信停止と記載して送信をお願いいたします。
お問い合わせ、配信停止は mag@mizuno-ch.com までお願いします。