重要法令等の解説(簡易版)【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.241

2024-10-24

【中国ビジネス・トレンド】重要法令等の解説(簡易版)

1.ドローンの輸出管理が強化されます

 
関連規定:ドローン(無人操縦航空機)の輸出管理措置の最適化及び調整の公告(商務部、税関総署、中央軍委装備発展部公告2024年第31号)

国家安全・国家利益の保護のため、2024年9月1日より、無人操縦航空機及び関連品目の輸出管理措置が強化されます。
尚、商務部・税関総署・国家国防工局・中央軍委装備発展部公告2023年第27号、及び、第28号は、同時に廃止されます。

1)本公告・第一条では。以下製品の輸出に関しては、商務部が発行する両用物質、及び、技術輸出許可証の取得が義務付けられます。
●最大継続パワーが16kwを超える、特定の無人操縦航空機または無人操縦飛行船に使用する航空用エンジン(参考税関HSコードは8501200010、8501320010、8501330010等)
●一定の技術基準を満たす、特定の無人操縦航空機または無人操縦飛行船に使用する赤外線サーモグラフィー装置等(参考税関HSコードは8501200010、8501320010、8501330010等)
●一定の条件を満たす、特定の無人操縦航空機または無人操縦飛行船に使用する無線通信設備(参考HSコードは8517629910、8517691002、8526920010)
●民間用対ドローンセキュリティシステム(参考税関HSコードは8543709960等)

2)輸出規制リスト、若しくは、一時管理対象に該当しない無人操縦航空機について、輸出者が、大量破壊兵器の拡散やテロ活動、軍事目的に使用されることを知っている、若しくは、知りうる状況にも拘わらず輸出した場合、「中華人民共和国輸出管制法」・第34条に基づき処罰されます。

2.アンチモン等に対する輸出規制が強化されます

 
関連規定:アンチモン等の製品に対して輸出管制を実施することに関する公告(商務部、税関総署公告2024年第33号)

国家安全・国家利益の保護のため、2024年9月15日より、アンチモン等の製品に対する輸出規制が強化されます。
本公告第一条にある以下製品の輸出に対しては、商務部が発行する両用物質・技術輸出許可証の取得が義務付けられます。

3.毒物製造可能化学品管理品目に、一定の調整が行われます

 
関連規定:4-(N-フェニルアミノ)ピペリジン、1-tert-ブトキシカルボニル-4-(N-フェニルアミノ)ピペリジン、N-フェニル-N-(4-ピペリジニル)プロパンアミド、カンナビジオール、2-メチル-3-フェニルグリシジル酸及びそのエステル、3-オキソ-2-フェニルブタン酸及びそのエステル、2-メチル-3-[3,4-(メチレンジオキシ)フェニル]グリシジル酸を毒物が製造可能な化学品管理に加えることに関する公告

国務院の決定に基づき、4-(N-フェニルアミノ)ピペリジン、1-tert-ブトキシカルボニル-4-(N-フェニルアミノ)ピペリジン等7種類の物質が、2024年9月1日より「易製毒化学品管理条例」(以下「条例」と称する)の別表に加えられます。

4.国際輸送において、貿易協定などの適用条件が緩和されます

 
関連規定:優遇貿易協定における第三国経由の輸送貨物の書類提出要求の簡素化に関する公告(税関総署公告2024年第110号)

最近の複合一貫輸送など、各種輸送形態の発展に伴い、企業より、輸送方式に関する規制緩和の要望が出されています。これに基づき、当該公告が公布され、優遇措置の適用などに関連する証憑書類の要件が緩和されました。
当該公告は、2024年8月23日に施行されます。また、税関総署公告2015年第57号、2016年第52号、2017年第26号は、同時に廃止となっています。
当該公告では、旧公告(税関総署公告2015年第57号・2016年第52号)と比べて、未加工証明に代替できる書類の発行主体は、国際宅配便事業を営む企業、民間航空輸送企業、国際定期船輸送事業者、及びその委託代理人だけでなく、全ての運送人まで拡大されています。また、適用可能な輸送方式は、全ての輸送方式に拡大されています。

5.食品輸出入届出手続きに際して使用するシステムが変更されます

 
関連規定:税関行政相対人統一管理子システム(3.0版)輸入食品輸出入会社届出機能の使用開始に関する公告(税関総署公告2024年第105号)

食品輸入に関連する手続き(輸入者、及び、国外輸出者)は、「輸入食品化粧品輸出入会社届出システム」を使用していましたが、2024年9月5日より、新しい届出システムである「税関行政相対人統一管理子システム・3.0版(中国語:海関行政相対人統一管理子系統(3.0版)」に変更されます。

6.海南自由貿易港政策に伴う暫定的な行政審査権限の付与が実施されます

 
関連規定:国務院による海南省人民政府が一時的に行政審査権限を行使することに同意する批准書(国函「2024」122号)

海南自由貿易港の建設を目的として、2024年7月30日~2025年12月31日の期間、国務院は、以下の行政審査権限を、暫定的に海南省人民政府に授権することを決定しました。