重要法令等の解説（簡易版）【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.238

【中国ビジネス・トレンド】重要法令等の解説（簡易版）

1、会社法の登録資本金管理制度の実施に関する規定（国務院令2024年第784号）

 
2024年7月1日から施行される新「会社法」では、資本金納付制度に対して改定を行い、有限責任公司の登録資本金は5年以内に払い込む完了する必要があり、株式会社に対して払い込み制度を実施すると規定されています。新「会社法」の要求を確実に実施するため、国務院常務会議では「中華人民共和国会社法の登録資本金管理制度の実施に関する国務院の規定」を審議の上、決議しました。
当該規定では、新「会社法」施行前に設立された会社に対して3年間の移行措置期間を設置し、同時に登記機関の資本金真実性に対する審査権利等の内容も規定されています。主な内容は以下となります。
（1）移行期間に関する規定（移行期間は2024年7月1日～2027年6月30日の3年間とする）
・2024年6月30日前に設立された会社について、有限責任会社の未払込み資本金の払い込み期限が2027年7月1日から5年を超過する場合、2027年6月30日以前に、残額の払い込み期限を5年内に調整し（2032年6月30日までの払い込み）、且つ定款に記載する必要があります。株式会社の発起人は、2027年6月30日までにその引き受けた出資金を全額払い込む必要があります。
（2）登記機関の審査権利
・会社出資期限、登録資本が明らかに異常がある場合、会社登記機関は会社の経営範囲、経営状況及び株主の出資能力、資産規模等に基づいて判定することができ、真実性、合理性原則に違反したと認定される場合、法により会社に調整を要求することができます。
（3）開示義務
・会社が登録資本金、払い込み資本金、出資方式を調整する、または発行人の持分購入数等を調整する場合、情報形成の日から20営業日以内に、国家企業情報開示システム経由で告知する必要があります。
（4）処罰規定
・会社が本規定に基づいて出資期限、登録資本を調整しない場合、会社登記機関より是正を命じることができます。期限までに改正しない場合、会社登記機関より国家企業信用開示システムで特別表記の形で公開します。
・会社の株主または発行人が本規定に基づいて出資金を納付しない場合、もしくは法により関連情報を開示しない場合、「会社法」、「企業情報開示暫定条例」の関連規定に基づき処罰します。

2、輸入貨物の出発日の申告要求を調整することに関する公告（税関総署公告2024年第81号）

 
本公告は、輸入貨物の申告項目である「出港日」の申告要求の変更で、2024年7月9日から施行されています。

3、高級認証企業の違反行為の自主開示関連事項の処理に関する公告（税関総署公告2024年第87号）

 
高級認証企業（AEO企業）の税関関連違反行為に関する自主開示に基づく行政処罰免除に付いての公告であり、税関総署公告2023年第127号の改定となります。

4、一部の動植物製品の入国検疫審査の取り消しに関する公告（税関総署公告2024年第77号）

 
「中華人民共和国輸出入動植物検疫法」（2009年修正版）により、動物及びその製品、植物の種子、苗木及びその繁殖材料を輸入する場合、事前に税関に検疫審査手続を申請する必要が有ります（動植物検疫許可証を申請）。

5、レアアース管理条例（国務院令2024年第785号）

「レアアース管理条例」は、レアアース資源の開発利用に関する規範化の条例であり、2024年10月1日に施行されます。

6、電動自動車用リチウムイオン蓄電池、電動自動車用充電器に対し強制性製品認証管理を実施することに関する公告（市場監督管理総局2024年第26号）

 
本公告の規定により、電動自動車の品質安全への監督管理を強化するため、国家市場監督管理総局は電動自動車用リチウムイオン蓄電池、電動自動車用充電器をCCC認証リストに入れることを決定しました。

7、ガス用具連接用ホース等の製品に対して強制性製品認証管理を実施することに関する公告（市場監督管理総局2024年第28号）

 
上記6番の内容と同様に、本公告の規定により、国家市場監督管理総局はCCC認証対象製品に対して調整を行い、ガス用具連接用ホース、ガス緊急切断バルブ製品をCCC認証リストに入れることを決定しました。