華南ビジネストレンド(簡易版)【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.227
2024-06-14【中国ビジネス・トレンド】華南ビジネストレンド(簡易版)
MCH会員様向け会報第308回でお届けした華南ビジネストレンドの簡易版です。会員様向け会報では、全ての法令・規定に関して、解説をしております(この簡易版では、2~9は簡単な概要記載のみとしています)。また、社内での情報共有に活用いただける、邦文と同一内容の中国語解説も用意しております。
※コンサルティングサービスの詳細は こちらをご参照ください。
1.商事主体の住所・経営場所要件のさらなる緩和に関する意見(穂府弁規[2024]4号)
広州市政府は、会社登記の住所と経営場所の要件を緩和するため、2016年に『広州市人民政府弁公庁による商事主体の住所・経営場所要件のさらなる緩和に関する意見』を実施しました。続いて2021年に、国務院の組織改革と機能転換に関する決定に基づき、関連機能部門の名称と実施期間が改正されました。そして今回は、『中華人民共和国民法典』、『中華人民共和国市場主体登記管理条例』、『広東省商事登記条例』などの上位法の制定、改正、廃止に基づいて改正が行われ、有効期間は5年です。主な改正点は、以下の通りです。
■削除内容
(1)「一址多照(一住所に複数の経営許可)」について、第1条「ただし、分公司の経営場所と従属関係にある総公司の住所(経営場所)を同一住所にしてはならない」の記述を削除し、分公司と総公司を同一住所にすることが可能となった。
(2)『中華人民共和国市場主体登記管理条例』第9条により、届出事項に商事主体の経営期間がなくなり、登録当局による検証対象から外れたため、第3条「商事登記機関は法律規定に基づき、商事主体の経営期間を検証する。部門(単位)が提示した土地使用証明の有効期間を経営期間の検証根拠としない」を削除した。
■改正内容
(1)第3条第1項(5)住所・経営場所が住宅地であり、申請者が公害又は潜在的な安全上の問題がない産業に従事する場合、利害関係所有者(改正前は利害関係者)の同意を得て、関連部門が発行した土地使用証明を提出することができる。
(2)第3条「住所・経営場所要件のさらなる緩和」において、「潜在的な安全上の問題がない商業用自家建設の建物については、土地使用証明を発行することができる」が追加された。
(3)第5条に「商事主体の住所・経営場所は、建物の使用安全に関する規定を遵守しなくてはならない」と明記し、許認可部門の名称を改正した。
2.『広州南沙における市場参入の緩和及び規制制度改革の強化を支持する意見』の解読
今年1月、国家発展改革委員会・商務部・市場監督管理総局は共同で、広州南沙における市場参入の緩和と規制制度改革の強化を支持する意見(以下「南沙意見」という)を発表し、国家発展改革委員会は3月22日午後に特別記者会見を開き、南沙意見の解読を行いました。
解読によると、南沙意見は南沙における市場参入の緩和と規制制度改革の強化に焦点があてられ、15の具体的な改革措置を打ち出しました。
3.横琴広東・マカオ深度合作区における人材育成支援の若干措置及び関連規範文書
横琴広東・マカオ深度合作区の人材育成を支援するため、横琴広東・マカオ深度合作区執行委員会は3月21日に粤澳深合執字[2024]19号において16の具体的措置を公布しました。合作区で実際に運営している企業や機構、及びその雇用先で実際に働く労働者に適用されます。
同日、合作区の経済発展局は19号を実施するための人材育成支援に関連する3本の規範文書を発行しました。条件を満たす単位又は個人に対し、相応の奨励と補助金を支給し、区内の海外高度人材と起業プロジェクトの申請手続きを最適化し、高度人材の認定条件を明確にしました。
4.深セン市前海深セン香港現代サービス業合作区管理局外商投資奨励弁法(深前海規[2024]3号)
深セン市前海管理局は2024年3月14日に当該奨励弁法を公布し、外資企業が前海で新設または増資により実際に外資を利用することを奨励します。当該弁法は前海合作区で正常かつ実際に運営している外商投資企業に適用されます。当弁法は一般規定、奨励基準、審査支給、監督管理、補足規定の5つで構成されています。
奨励基準では、前年度に前海合作区で500万米ドル以上の外資を追加し、実際に使用した外資系企業には、基準に従って外資奨励を支給すると規定されています。
5.深セン市前海深セン香港現代サービス業合作区管理局の大宗商品貿易の高品質発展を促進するための若干措置(深前海規[2024]4号)
前海市管理局は、前海市における大宗商品貿易の質の高い発展を支援するため、当該措置を策定し、支援範囲と対象、支援基準、資金保証、申告主体と規定違反処理などについて規定しました。
6.恵州市新型研究開発機構管理弁法 (恵市科字[2024]25号)
恵州市の新型研究開発機構の建設と管理を強化・規範化するため、恵州市科学技術局は当該弁法(全28条)を策定して公布しました。新型研究開発機構の申告認定、運営管理、導入と共同建設、総合的な評価及び支援措置について詳細に規定されています。
7.広東省における将来のグリーン化低炭素産業クラスター育成発展行動計画(粤発改資環[2024]53号)
産業の科学技術革新を促進し、新質生産力を発展させるため、広東省発展改革委員会・科学技術庁・工業情報化庁が共同で当該行動計画を発表しました。
※新質生産力とは、労働、資本、土地といった従来の生産要素に、革新的な技術や管理手段を取り入れることによって質的飛躍を遂げる生産力をさします。
全体の目標として、2030年までに国際競争力の高い1,000億元規模の産業クラスターを形成し、2035年までに技術進歩、グリーン化競争力、産業エコシステム、海外展開などの面で実質的な成果を達成し、低炭素・ゼロカーボン・カーボンネガティブ技術と革新的なシナリオ応用によって推進されるグリーン化低炭素産業クラスターを形成します。
8.内外貿易一体化発展の加速化に関する若干措置(粤府弁[2024]3号)
『国務院弁公庁による内外貿易一体化発展の加速化に関する若干措置』(国弁発[2023]42号)などの文書の精神を徹底し、広東省における内外貿易の一体化を加速させるため、広東省人民政府は主に規則制度の整合、市場主体プラットフォームの育成、金融・物流・知的財産権・人材などのサービス保障に重点をおき、6つの側面から14措置を提案しました。
9.広州市決済サービスのさらなる最適化と決済の利便性向上に関する若干措置(穂府函[2024]46号)
『国務院弁公庁による決済サービスのさらなる最適化と決済利便性の向上に関する意見』(国弁発[2024]10号)を徹底するため、広州市は人民銀行広東省分行と共同でいくつかの措置を起草し、市政府の承認を経て、2024年3月28日に当該通知を発行しました。 当該通知は、決済サービス体系の構築強化、広州における友好的な決済環境の整備、組織の保障強化の3つの部分で構成されており、11の側面から22の任務を提案しています。