重要法令等の解説(簡易版)【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.226
2024-06-11【中国ビジネス・トレンド】重要法令等の解説(簡易版)
MCH会員様向け会報第309回でお届けした重要法令等の解説の簡易版です。会員様向け会報では、全ての法令・規定に関して、解説をしております(この簡易版では、2~10は簡単な概要記載のみとしています)。また、社内での情報共有に活用いただける、邦文と同一内容の中国語解説も用意しております。
※コンサルティングサービスの詳細は こちらをご参照ください。
1.入札分野における公平競争審査規則(国家発展改革委員会・工業情報化部・住房城郷建設部・交通運輸部・水利部・農業農村部・商務部・市場監督管理総局令第16号)
2016年に国務院は『市場体系構築における公平競争審査制度の確立に関する意見』(国発[2016]34号)を発表し、2021年には市場監督管理総局・国家発展改革委員会・財政部・商務部・司法部が『公平競争審査制度実施細則』(国市監反壟規[2021]2号)を発表しました。そのなかで、市場参入と撤退、産業発展、投資誘致、入札、政府調達、経営行為規範、資格基準など経営主体の経済活動に関する具体的な政策措置を策定する場合、公平競争審査を行う必要があると明確にしています。
今回、国家発展改革委員会など8部門委員会が策定した『入札分野公平競争審査規則』は、入札分野における公平競争審査制度の初めての審査規定として、既存の公平競争制度との整合性がとられています。同時に、『入札法』及びその実施条例などに基づき、入札における公平競争審査の実施メカニズムをさらに充実させ、入札措置の策定を規範化し、公平競争を排除・制限する規定及び慣行を根源から削減させることに力を入れています。
主な内容は以下の通りです。
(1)審査基準を細分化する
入札実務でよくある様々な不合理な制限に対して、審査の具体的な要件を定め、資格事前審査、入札評価方法、入札評価基準、入札落札基準、信用評価、保証金回収など、取引障壁の解消に重点を置きます。
(2)審査の仕組みを完備させる
公平競争審査を実施する政策決定機関の主体責任を明確にし、作業の仕組み、作業の手順、審査結論等について規定し、審査や許認可を求める前に政策措置の公平競争審査を完了させる必要があることを強調しています。
(3)監督管理を強化する
関連部門は、政策措置の評価と整理を定期的に実施し、入札市場で障壁となりえる情報を収集するメカニズムを確立し、公平競争に違反するあらゆる政策措置を動的に整理し、公平競争審査制度の実施を効果的に推進することが求められています。
本規則は2024年5月1日に施行されます。
2.高水準な対外開放の着実な推進及び外資のさらなる誘致・活用行動計画(国弁発[2024]9号)
市場化、法治化、国際化された一流のビジネス環境を作り、中国での外資発展への信頼を強固なものにするため、国務院弁公庁は2024年3月19日に当該通知を発行しました。計画では、5つの側面から24の措置が提案されています。
3.融資信用サービスプラットフォームを構築し中小零細企業の融資利便化水準を向上させるための実施計画(国弁発[2024]15号)
融資信用サービスプラットフォームの構築をさらに最適化し、信用情報に基づく包括的な融資サービス体系を改善し、中小零細企業の融資利便化水準を効果的に向上させるため、国務院弁公庁は2024年4月2日に当該通知を公布しました。主に5つの側面から12の実施計画を提案しています。
4.工業分野設備更新推進実施計画(工信部聯規[2024]53号)
工業分野における大規模設備の更新を推進し、効果的な投資の拡大、先進的生産能力の継続的な向上を促進するため、工業情報化部など7部門は2024年4月9日に共同で『工業分野設備更新推進実施計画』を発表しました。
5.『第14次5ヶ年計画における人口高齢化対策と保育建設の積極的対応実施計画』の改定と公布に関する通知(発改社会[2024]260号)
国家発展改革委員会・民政部・国家衛生健康委員会は、人口高齢化に積極的に対応する国家戦略を徹底し、質の高い人口発展を推進し、介護・保育サービス体系を改善するため、『第14次5ヶ年計画における人口高齢化対策と保育建設の積極的対応実施計画』(発改社会[2021]895号)を改定し、2024年3月11日に本通知を発表しました。
6.中華人民共和国消費者権益保護法実施条例(中華人民共和国国務院令第778号)
本条例は、2024年3月15日に国務院より公布されました。『消費者権益保護法』(1993年制定、2009年と2013年の2度改正)が施行され30年が経過したなかで、初めて制定された関連行政法令です。
実施条例は7章53条で構成され、消費者の権利と経営者の義務、国による消費者の合法的権益の保護、消費者団体、紛争解決、法的責任などについて、より詳細に規定しています。
7.節約用水条例(中華人民共和国国務院令第776号)
国務院は、社会全体の節水を促進し、国家の水の安全を確保し、生態文明の建設を促し、質の高い発展を推進するため、2024年3月に当該条例を公布しました。
8.税関事前裁定期間延長の実施に関する事項の公告(税関総署公告2024年第32号)
企業の輸出入貿易活動に対する予見可能性をさらに高めるため、税関総署は『中華人民共和国税関事前裁定管理暫定弁法』(税関総署令第236号)の関連規定に基づき、2024年3月15日に本公告を発表しました。
9.「中国国際貿易単一窓口」における「企業監査検証(自主開示)」機能の追加に関する公告(税関総署公告2024年第36号)
税関総署は、越境貿易の利便化水準をさらに向上させ、口岸におけるビジネス環境を継続的に最適化するため、「中国国際貿易単一窓口」の「企業管理」コンテンツに「企業監査検証(自主開示)」機能を追加しました。
10.全国各省・自治区・直轄市における最低賃金基準(2024年4月1日現在)
2024年4月3日、人的資源社会保障部は公式ウェブサイトで2024年4月1日時点の最低賃金基準を発表しました。