重要法令等の解説(簡易版)【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.224

2024-05-28

【中国ビジネス・トレンド】重要法令等の解説(簡易版)

MCH会員様向け会報第306回でお届けした重要法令等の解説の簡易版です。会員様向け会報では、全ての法令・規定に関して、解説をしております(この簡易版では、2~7は簡単な概要記載のみとしています)。また、社内での情報共有に活用いただける、邦文と同一内容の中国語解説も用意しております。

※コンサルティングサービスの詳細は こちらをご参照ください。

1.横琴粤澳深度合作区の貨物の輸出入に関する税収政策(財関税2024年1号)

 
広東省・珠海市の横琴粤澳深度合作区に関する税収規則です。同合作区に対して、保税開発区に準じた保税・免税措置を認めています。

●「一線」と「二線」の定義:
横琴とマカオの間は「一線」となります。
横琴と中国国内の他の地区の間は「二線」となります。

●合作区とマカオ間に「一線」経由で出入りする貨物に対して、備案管理を行います。「一線」経由で合作区に入った貨物について(合作区を通過する貨物は含まない)、国家法律、行政法規で明確に規定されている免税、保税を適用できない貨物を除いて、下記規定に基づいて処理します。
(1)合作区に登記のある独立法人資格を持つ企業、合作区の行政機関、事業単位、法定機構、及び合作区に登記される社会団体、非企業単位が輸入した自用機械、設備(飛行機、車、船舶、ヨット等交通設備を含まない)、金型及び上記商品の修理用の部品、インフラ物資(室内装飾、内装物資を含まない)に対して、輸入関税、輸入増値税、消費税課税が免除されます。
(2)上記(1)以外に、合作区内の主体が輸入する貨物に対して、保税になります。
(3)上記(1)の免税輸入貨物に対して、輸入主体が自発的に輸入関税、輸入増値税、消費税を納税する場合、拱北海関に申請できます。免税資格を放棄する場合、36か月以内は免税を再申請できません。
(4)免税を享受できる輸入主体リストは、合作区執行委員会と拱北海関等関連部門より確定し、財政部、海関総署、税務総局に転送します。
(5)「一線」経由で合作区に入った免税貨物の監管年限については、輸入減免税貨物の監管年限を参照して管理されます。

●「二線」経由で国内に入った、免税或いは保税貨物及び加工製品に対して、輸入貨物の関連規定に応じた通関手続きが必要です。そのうち、国内販売の貨物に対して、実際の通関検査で輸入関税、輸入増値税、消費税を課税します。選択性関税徴収政策は適用できません。
「一線」で規定に基づき納付済み、或いは合作区に輸入関税、輸入増値税、消費税を追加徴収された貨物はが「二線」経由で国内に入った場合、輸入税は再度徴収されません。

2.中華人民共和国輸出入税則(2024)(税委会公告2023年第12号)

 
毎年公布される関税率表で、2024年1月1日より適用されます。
商品品目ごとに、最恵国税率、協定税率、特恵税率、普通税率に該当する関税率が記載されています。

3. 横琴粤澳深度合作区の個人荷物と郵便物に関する関税政策(財関税2024年2号)

 
「一線」経由で合作区に入った個人荷物と郵便物に対して、自用で合理的数量を前提に、且つ関連管理規定に適合し、国家法律、行政法規に明確に規定されている免税できない貨物でない場合は、税関は免税通関とすることができる、など。

4. 横琴粤澳深度合作区に関する増値税と消費税還付貨物範囲の通知(財税2024年1号)

 
一部の規定された貨物を除き、国内から「二線」経由で合作区に入った貨物は輸出と見なされ、増値税と消費税還付政策が実施されます。

5. 研究開発機構の中国産設備購入に関する増値税還付管理弁法(国家税務総局公告2023年第20号)

 
要件を満たす研究開発機構が中国産設備を購入する場合、全額還付が認められる、など。

6.2023年度~2025年度、2024年度~2026年度公益性社会組織寄付金に対する税前控除可能の資格者リスト(財政部・税務総局・民政部公告2023年76号)

 
「2023~2025年度」、「2024~2026年度」において、支払い側で損金算入が可能となる寄付金の対象組織リストです。

7.条件を満たす自由貿易試験区および自由貿易港における輸入税制政策措置の試行(財政部・生態環境部・商務部・海関総署・税務総局公告2023年75号)

 
海南自由貿易港に登記された独立法人資格を持つ企業が、航空機、船舶(部品を含む)を臨時に出境させ修理した後、海南自由貿易港に再度入れる場合、貨物の価値が増加したか否かにかかわらず、関税を免除し、輸入増値税と消費税は、関連規定に基づき徴収する、など。