重要法令等の解説（簡易版）【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.222

【中国ビジネストレンド】重要法令等の解説（簡易版）

MCH 会員様向け会報第 305 回でお届けした重要法令等の解説の簡易版です。会員様向け会報では、全ての法令・規定に関して、解説をしております（この簡易版では、2 ～ 10 は簡単な概要記載のみとしています）。また、社内での情報共有に活用いただける、邦文と同一内容の中国語解説も用意しております。

※コンサルティングサービスの詳細は こちらをご参照ください。

1.事業者集中申告基準に関する規定（国令第 773 号）

現行の事業者集中申告基準が低すぎるとして、国務院は 1 月 22 日に本規定を公布し、事業者の集中売上高の申告基準をさらに引き上げました。市場参入の条件緩和、事業者集中の制度的取引コストの低減、独占禁止監督と法執行の効率改善、買収合併による投資促進を目的としています。
(1)集中に参加するすべての事業者の前年度の全世界総売上高基準を現在の 100 億人民元超から 120 億人民元超に引き上げる。
(2)集中に参加するすべての事業者の前年度の中国本土総売上高基準を現在の 20 億人民元超から 40 億人民元超に引き上げる。
(3)集中に参加するすべての事業者のうち、少なくとも 2 つの事業者の前年度の中国本土売上高基準を、現在の 4 億人民元超からそれぞれ 8 億人民元超に引き上げる。
また、国務院独占禁止法執行機関は、金融などの特殊産業、事業者集中の特定の状況、及び経済発展に応じた報告基準を策定又は評価することができます。

2.国務院独占禁止・不正競争防止委員会による業界協会に関する独占禁止ガイドライン（双反委発[2024]2 号）

2024 年 1 月 10 日、国務院独占禁止・不正競争防止委員会は、業界協会による『独占禁止法』で禁止されている行為を防止・阻止し、業界協会のリスク識別、評価、防止を強化するために、当該ガイドラインを公布しました。ガイドラインは合計 26 条で構成されています。

3.廃棄物回収再利用システム構築の加速化に関する意見（国弁発[2024]7 号）

国務院総弁公室は 2 月 6 日、全面的な節約戦略を実施し、国家資源の安全を保障し、カーボンピークアウトとカーボンニュートラルを積極的かつ着実に推進し、発展方式の緑色トランスフォーメーションを加速するために、廃棄物回収再利用システムの構築に関する意見とガイドラインを提出しました。

4.緑色電力証書と省エネ・炭素削減政策の連動強化及び非化石エネルギー消費の積極的推進に関する通知（発改環資[2024]113 号）

化石エネルギーの消費抑制を強化し、社会・経済発展の全面的なクリーンエネルギーを主体とした社会への転換を加速させるために、国家発展改革委員会、国家統計局、国家能源局は 1 月 27 日に、15 の具体的な内容を含む、本通知を策定・発行しました。

5.民間航空危険品運輸管理規定（中華人民共和国交通運輸部令 2024 年第 4 号）

交通運輸部による『民間航空危険品運輸管理規定』（交通運輸部令 2016 年第 42 号）の改正です。荷送人及び代理人、航空会社、航空荷物の地上支援業務を行う業者、危険物講習、法的責任などの内容が含まれています。改正前は 13 章 145 条でしたが、改正後は 11 章 91 条に変更されています。

6.中古自動車の輸出に関する事項の公告（商務部・工業と情報化部・公安部・交通運輸部・税関総署公告 2024 年第 6 号）

中古車に対して輸出許可証管理を実施することとなり、当公告が 2024 年 3 月 1 日より施行されます。

7.「データ要素 ×」3 ヶ年行動計画（2024 ～ 2026 年）（国数政策[2023]11 号）

2024 年 1 月 4 日、国家データ局と中央ネットワークセキュリティ情報化委員会弁公室などの 17 部門が共同で『「データ要素 ×」3 ヶ年行動計画（2024 ～ 2026 年）』を発表しました。主に、データ要素と労働・資本要素との調和を促進し、データの流れを通して技術、資本、人材、物資の流れをリードし、従来の資源要素の制約を打ち破り、全要素の生産性を向上させることを目的としています。

8.データ資産管理強化に関する指導意見（財資[2023]141 号）

2024 年 1 月 11 日、財政部は『データ資産管理強化に関する指導意見』を発表しました。データ資産の全プロセスの管理を強化し、データ資産の価値をより有効に活用し、デジタル経済の発展促進を目的としています。

9.外国人の中国入国をさらに利便化するための 5 つの新措置の実施

1 月 11 日より、5 つの外国人来中利便化措置が正式に実施され、外国人のビジネス、学習、観光を目的とした中国入国の利便化を図ります。これによる、外国人の受入れに関するサービスの改善が期待されます。

10.製造業パイロットテスト革新発展実施意見（工信部聯科[2024]11 号）

「パイロットテスト」とは、試作段階の新製品を生産工程に移行するためのテストを指します。製造業のパイロットテストは、科学技術成果の産業化を促進するための重要な鍵となるものであり、技術のイテレーション、プロセスの改善及び製品のイノベーションを促進する重要な方法でもあります。そのため、2024 年 1 月 16 日、中華人民共和国工業情報化部と国家発展改革委員会は本実施意見を発表しました。