華南ビジネストレンド(簡易版)【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.219

2024-04-01

【中国ビジネストレンド】華南ビジネストレンド(簡易版)

MCH会員様向け会報第302回でお届けした華南ビジネストレンドの簡易版です。会員様向け会報では、全ての法令・規定に関して、解説をしております(この簡易版では、2~8は簡単な概要記載のみとしています)。また、社内での情報共有に活用いただける、邦文と同一内容の中国語解説も用意しております。

※コンサルティングサービスの詳細は こちらをご参照ください。

1.中国(広東)自由貿易試験区向上戦略的行動計画(粤府函[2024]9号)

本通知では、2025年までの3ヶ年目標が提出され、制度型開放のレベル向上など6つの側面から20の具体的施策が提案されています。主な内容は以下の通りです。
【3か年発展目標】
(1)外商投資企業の登録が累計3万社以上、外資活用実績が700億米ドル以上を目標とする。
(2)輸出入総額が8,000億人民元を超えるよう努力する。
(3)ハイエンド製造業、戦略的新興産業、現代サービス業に焦点を当て、現代産業と本部経済クラスターを育成し、国家レベルの科学技術と産業革新プラットフォームを構築する。
(4)香港・マカオとの制度・ルールの一致、経済の高度な連携、土地・労働力・資本・技術・情報などの要素がスムーズに流動する発展モデルを形成し、広東・香港・マカオの共同イノベーションレベルを大幅に向上させる。香港・マカオの産業が新しい空間で発展し、香港・マカオが人材のイノベーションと創業の高地(優位にあり影響力を持つ)となり、広東・香港・マカオの働きやすく住みやすい質の高い生活圏を基本的に構築する。

【主要な施策】
1)制度型開放のレベル向上
(1)国際的で高水準に基づく制度型開放の推進を主導する。
(2)現代サービス業の開放を拡大する。
(3)国際的に一流のビジネス環境を創出する。

2)国際貿易競争における新たな優位性の向上
(1)広東・香港・マカオ大湾区の物流一体化機能を強化する。
(2)国際貿易新業態のイノベーションと発展を促進する。
(3)広東・香港・マカオ大湾区を世界貿易デジタル化のパイロットエリアとして建設することを支持する。
(4)安全で秩序あるデータの越境流通を促進する。

3)金融開放とイノベーションのレベル向上
(1)融資リースの集積エリアを構築する。
(2)先物・現物市場の連動した市場システムを確立する。
(3)重要な金融プラットフォームの構築を促進する。

4)産業チェーンの現代化レベル向上
(1)科学技術イノベーション資源の集積を促進する。
(2)先端製造業クラスターの発展を促進する。
(3)戦略的新興産業を育成し拡大する。

5)広東・香港・マカオ大湾区における国際競争力の強化
(1)香港・マカオの専門家に対する就業の利便化を促進する。
(2)広東・香港・マカオの法的サービス協力を強化する。
(3)香港・マカオ居住者の越境医療サービスを最適化する。
(4)横琴の「分線管理(本土とマカオ間にエリアを分け管理)」の実施を促進する。

6)周辺地域に対する中核的役割と促進能力の向上
(1)広東・海南の地域協力プラットフォームとの連結と連携を強化する。
(2)広東省自由貿易試験区との連動した発展を加速する。
(3)改革・イノベーション経験の再現と推進を強化する。 

2.広東省における省レベルの行政機能・権限を地方合作区で実施するための調整に関する規定

(1)横琴広東・マカオ深度合作区執行委員会及びその業務機関が省レベルの行政機能・権限事項を実施するための第2次調整に関する決定(粤府令第306号)
広東省人民政府は横琴における第2次行政調整を行い、2024年1月20日以降、計23項目の省レベル行政機能・権限事項が横琴広東・マカオ深度合作区の執行委員会とその業務機関によって実施されます。これより前には159項目の省レベル行政機能・権限事項の第1次調整がすでに実施されています。
今回の調整において委託関連は20項目あり、共同開校、外国籍人員の子女学校の設立、外国人来中就業許可、航路通航、文化観光、医療保健などの分野が含まれています。
委譲関連は3項目で、通航水域作業の審査と許認可、国内水路運送事業許可、固定資産投資プロジェクトの省エネ審査が含まれています。
詳細は原文の添付目録をご参照ください。
今回の調整において委託関連は20項目あり、共同開校、外国籍人員の子女学校の設立、外国人来中就業許可、航路通航、文化観光、医療保健などの分野が含まれています。
委譲関連は3項目で、通航水域作業の審査と許認可、国内水路運送事業許可、固定資産投資プロジェクトの省エネ審査が含まれています。
詳細は原文の添付目録をご参照ください。

(2)広東省人民政府による深セン前海深港現代サービス業合作区管理局が実施する省レベルの行政機能・権限事項の一部調整に関する決定(粤府令第307号)
広東省人民政府は深センにおける行政調整を行い、2024年1月20日以降、81項目(委託関連79項目、委譲関連2項目)の省レベル行政機能・権限事項が深セン前海深港現代サービス業合作区管理局によって実施されます。
その中で、委託関連は79項目あり、主に外国籍人員の子女学校の設立、本土と香港・マカオ・台湾の共同開校、外国人来中就業許可、外国・香港・マカオ弁護士事務所の駐在及び代表弁護士などの越境法律関連事項、建築工事、海洋漁業、文化観光、医療保健などの分野が含まれています。
委譲関連の2項目には、政府投資プロジェクトの審査と許認可、144時間のビザ免除の確認・発行があります。
詳細は原文の添付目録をご参照ください。

3.広東省建設プロジェクト環境影響評価文書の分級審査許認可弁法(粤府[2023]106号)

広東省は、建設プロジェクトの環境影響評価書類に対する分級審査許認可の管理をさらに規範化し、建設プロジェクトの環境保護管理の効率を向上させるため、本弁法を制定しました。本弁法は2024年1月19日より施行され、5年間有効です。

4.広東省消費財リコール管理弁法(粤府令第308号)

広東省人民政府は、欠陥のある消費財のリコールを規範化し、消費者の合法的権益を保護するために、本弁法を制定し、2024年2月1日より施行されます。 

5.広州市における金融業の質の高い発展の促進に関する若干措置(穂府規[2023]6号)

広州市の金融業界の発展を促進するため、広州市人民政府は2023年12月17日に本通知を公布しました。

6.広州市における外商投資環境の最適化及び外資誘致の取り組み強化に関する若干措置(穂府弁函[2023]71号)

広州市の外商投資環境を最適化し、外資誘致の取り組みを強化するために、広州市人民政府は2023年12月28日に本通知を公布しました。主に4つの側面で12の政策措置が提案されています。

7.深セン市における本部経済奨励の新措置

■深セン市多国籍企業本部企業設立奨励弁法(改定版)(深府弁規[2023]8号)
本弁法は、深セン市人民政府弁公庁が『深セン市多国籍企業本部企業設立奨励弁法』(深府弁規[2021]2号)を改定したもので、2024年1月19日より実施され、有効期間は3年間となります。

■深セン市本部経済の高品質な発展の促進に関する実施意見(深発改規[2023]12号)
深セン市本部経済の高品質な発展を促進し、コアコンピタンスを持つ本部企業クラスターを育成・拡大し、世界的な影響力を持つ本部経済を大いに発展させ、経済中心都市が放出する原動力をさらに高めるため、深セン市発展改革委員会をはじめとする9部門は、2023年11月30日に本実施意見を共同で公布しました。

8.東莞市市場主体全過程電子化登録弁法

2023年12月に『東莞市全過程電子化工商登録弁法』の有効期間満了をうけて、引き続き改革を推進し、企業設立の利便性をさらに向上させるため、東莞市市場監督局は『東莞市市場主体全過程電子化登録弁法』を作成し、市人民政府の同意を経て、2023年12月20日に正式に施行されました。