【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.163
2022-04-12【中国ビジネス・トレンド】
■ 上海市ロックダウンの段階解除について
2022 年 4 月 11 日午前の市政府副秘書長・疫病予防対策指導グループ主任の発言に基づけば、上海市のロックダウン政策の現状と、今後のステップは以下の通りです。
1.検査の実施
直近 2 日間(4 月 9 日・10 日)で、合計 2,512 万人が検査を受け、その内、25,996 人が異常値を示し、その一部に対して再検査を実施していることが説明されています。
2.今後の管理
今後は、閉鎖制御区(封控区)、管理制御区(管控区)、予防区(防范区)の 3 区域に分けて、以下の通りの管理を実施します。 4 月 11 日の発表では、第一次のリストでは、閉鎖制御区 7,624 か所、管理制御区 2,460 か所、予防区 7,565 か所となっています。 各区域で異なる管理が実施されますが、その概要は、以下の通りです。
(1)閉鎖制御区
1)管理
過去 7 日以内に感染陽性が報告されたマンション(小区)、自然村、単位、場所が該当し、「7 日間の閉鎖管理+ 7 日間の在宅健 康観察」を実施する。 7 日間の閉鎖管理期間は、区域閉鎖(マンション封鎖)、外出しない(住居内隔離)の対象となります。 7 日間の閉鎖管理期間中に新たな陽性感染者が出なければ、7 日間の在宅健康観察を実施(マンション内に出ることは可能であるが、複数人が集まることは禁止)。
2)対応
この 14 日間(7+7)に、新たな陽性感染者が出ず、13 日目の PCR 検査で地域内のすべてが陰性になれば閉鎖解除となり、予防区に調整する。 7 日間の閉鎖管理期間中に感染陽性が出た場合、当該建物は、14 日間の期間終了まで封鎖する。当該建物以外のその他地域については 7 日間の在宅健康観察を実施。 在宅観察期間中に感染陽性が出た場合は、状況に応じて対応する管理措置を決定する。
(2)管理制御区
1)管理
過去 7 日間に陽性感染が報告されていないマンション、自然村、単位または場所が該当し、7 日間の在宅健康観察(マンション内に出ることは可能、マンションか らの外出は禁止。マンション内は複数人数の集合禁止)を実施する。 各世帯は、安全確保を前提に、マンションなどの指定区域に行き、配給物資を受け取る。
2)対応
7 日間の在宅健康観察期間中に感染陽性者が確認された場合、閉鎖管理区に調整し、対応する管理措置を実施する。 7 日間の在宅健康観察期間中に新たな陽性感染がなく、6 日目にエリア内のすべてが陰性となった場合、管理制御を解除し、予防区に調整する。
(3)予防区
過去 14 日間に陽性感染者が報告されていないマンション、自然村、単位・場所。 所在地の街鎮の範囲で適切な活動を行い、閉鎖・管理区には移動できない。 予防区で感染者が出た場合、閉鎖制御区に調整する。
3.総論
以上の通り、(都会部の場合は)マンション単位の感染状況で、3 種類に分類され、その後の状況に応じて、随時調整されていく形となります。 また、予防区になった場合でも、活動範囲は極めて制限されますので(同一街道内に、限られた人数・回数に限定)、封鎖解除とは言えません。 但し、段階的に開放を進めていく方針が明らかになったことは、今後の展開を予測するに当たり重要かと思います。
4.参考
上海市各区の三区域リスト
水野コンサルタンシーグループ代表 水野真澄