【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.156

2021-12-27

【中国ビジネス・トレンド】

以下の重要規定に関して解説します。

1. 輸出食品生産企業海外登録申請管理弁法(税関総署公告 2021 年第 87 号)

外国(地域)が中国から当該国(地域)に輸出する食品生産企業の登録管理を実施し、税関総署の推薦を求める場合、税関総 署は当該国(地域)の主管当局に統一して推薦を行います。 外国(地域)が登録を要求する場合、輸出食品生産企業とその製品は、その国(地域)の主管当局から登録認可を受けてから 輸出する必要があります。

輸出食品生産企業が海外登録申請を行う場合、下記の条件を満たす必要があります。

  • (1)輸出食品生産企業の届出が完了している。
  • (2)追跡可能な食品安全衛生管理システムを確立し、食品安全衛生管理システムの有効性を保証し、輸出食品の生産、加 工、貯蔵のプロセスが中国の法律法規、輸出食品生産企業の安全衛生要- 求を継続的に満たしている。
  • (3)輸入国(地区)の法律法規及び関連国際条約、協定等の要求を満たしている。
  • (4)企業主体責任を履行し、且つ税関信用喪失企業ではない。
  • (5)企業自身の安全衛生面の問題により、一年以内に輸入国(地区)の主管当局に通報されていない。

登録のプロセスに基づいて所在地税関に関連書類を提出し、条件に合致すれば、税関は輸入国(地域)に推薦します。

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2. 製造業における中小企業の 2021 年第 4 四半期の特定税金の支払い猶予に関 する公告(国家税務総局公告 2021 年第 30 号)

製造業における中小企業とは、年間売上額が 2,000 万元以上 4 億元未満の企業(中規模業)及び年間売上額が 2,000 万元未満の企業(小規模企業)であり、個人独資企業、個人工商業者、共同企業が含まれます。 所属期が 2021 年 10 月、11 月、12 月或いは第 4 四半期の企業所得税、個人所得税(源泉徴収代理納税を除く)、国内 増値税、国内消費税及び都市維持建設税、教育付加税、地方教育付加税が本政策の対象となります(税務機関による発票の代 理発行の際に納付した税金を除く)。

本公告に定める条件に合致する製造中小企業については、法律に基づき納税申告を行った後、中規模企業は上記の税金の 50%を、小規模企業は全額を延納することができます。 猶予期間は 3 か月とし、猶予期間満了後、納税者は当該税金を支払わなければなりません。 同公告は 2021 年 11 月 1 日から施行されています。

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3. 小規模企業の銀行口座サービスの最適化及びリスクコントロールに関する指導 意見

マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策のための口座管理に関する銀行への指導意見となります。 本意見では小規模企業の口座開設プロセスの最適化に焦点が当てられており、リスクベース・アプローチの原則のもとに、差 別化された顧客デューディリジェンス措置を採用するよう銀行を指導し、口座開設サービスの便利性を向上させるため、口座 の簡易開設サービス、電子証明の応用、政銀連動協力の推進が奨励されています。

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4. “十四五”サービス貿易発展計画

商務部等 24 部門により、《“十四五”サービス貿易発展計画》が 2021 年 10 月 19 日に公布されました。第 14 次 5 か 年計画(2021 ~ 25 年)期間における、サービス貿易の発展計画となります。 以下のような目標や計画が記載されています。

  • 外資の参入分野の拡大、参入前の国民待遇とネガティブリスト制度の健全化、外資参入ネガティブリスト項目の減少、電気 通信・インターネット・教育・文化・医療等の分野の段階的な開放
  • 行政許認可事項の簡素化、許認可手続きの最適化、資格許可の削減と統合、事業関連検査の規範化
  • 規制モデルの革新、自己承諾制などの便利な方式の確立、サービス貿易企業のコンプライアンスコスト削減
  • 知的財産権の保護と活用の強化、技術の輸出入管理を円滑にするための施策の実施の推進
  • 国境を越えたデータ通信の安全管理に関するパイロット・プロジェクトの実施
  • 中国(上海)国際技術輸出入交易会,中国国際デジタル貿易博覧会,中国国際デジタル・ソフトウェア交易会,中国国際 サービスアウトソーシング交易博覧会など,サービス貿易分野における- 要な展示会の開催
  • データ資源の財産権、取引、流通に関する基本的な制度や基準・規範の確立、成熟したデータ貿易モデルの形成
  • 研究開発、設計、試験、保守、リースなどの生産サービスのアウトソーシングの積極展開、バイオメディカル研究開発のア ウトソーシングの展開
  • スマート物流、オンライン決済、オンライン教育、オンライン展示会、遠隔医療、デジタル金融・保険、スマートスポーツ などの分野の展開、観光・交通・建設業界のデジタル化支援、ブロックチェーン電子船荷証券の発行支援 ほか

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5. 商標登録証交付方法の調整に関する公告(国家知識産権局公告第 453 号)

2022 年 1 月 1 日より、登録公告及びその他の商標出願によって発行される商標登録証について、紙媒体で商標申請する者 には、「商標登録証受領通知書」が送付され、同通知書に記載された URL 及びダウンロードコードを用いて、中国商標ネッ トにて電子商標証を取得します。 商標を電子出願した出願者は、商標ネットサービスシステムにログインし、電子商標登録証を取得できます。 電子商標登録証は、閲覧、印刷ができ、今後紙の商標登録証は発行されません。

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6. 企業の安全生産標準化の等級評価弁法(応急[2021]83 号)

本弁法は全国の化学工業(石油化学工業を含む)、医薬品、危険化学品、花火・爆竹、石油採掘、冶金、非鉄金属、建築材 料、機械、軽工業、煙草、紡績、商業貿易等の企業が適用対象となります。 安全生産の関連法律法規、標準等に基づき、標準化を強化したうえ、自ら標準化の等級評価を申請できます。企業標準化等級 は、高い級から 1 級、2 級、3 級に分けられ、企業標準化等級の基準は応急管理部が業界別に制定します。 企業標準化の等級評価は自己評価、申請、審査、公示、公告の順序で行われ、有効期間は 3 年間となります。 本弁法は 2021 年 11 月 1 日から施行されています。

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7. 港湾危険貨物の重大危険源監督管理弁法(交水規[2021]6 号)

「港湾危険貨物の重大危険源監督管理弁法」の改訂版で、2021 年 12 月 1 日から施行されています。 主な内容は以下となります。

  • (1)港湾における危険物の主な危険源の特定、評価、登録・登記、消し込みとその監督管理に本弁法が適用されます。
  • (2)本弁法でいう港湾における危険物の主要発生源とは、「危険化学品重大危険源の特定(GB18218)」などの基準 を参照して特定したものとなります。
  • (3)港湾事業者は、港湾重大危険源の安全管理に責任を負う主体であり、主担当者はその安全管理業務に対して全面的に責 任を負います。
  • (4)港湾事業者は、港湾危険貨物の貯蔵施設または場所に対して港湾重大危険源の特定を行い、その過程及び結果を記録し ます。また危険源に対して安全評価を行い、重大危険源のランク(危- 険度の高い方から 1 級、2 級、3 級、4 級)を確定しま す。
  • (5)港湾事業者は、港湾重大危険源の特定、ランク付け、安全評価を行った後の 15 日以内に、港湾重大危険源及び関連安 全措置、応急設置を所在地の港湾行政管理部門と応急管理部門に届け出ます。

行政管理部門は船舶航行、停泊、作業安全に該当する港湾重大危険情報を、即時に海事管理機構に通報します。

原文

以上