【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.146

2021-05-25
**【INDEX】

【中国ビジネス・トレンド】
**以下の重要規定について解説します。

1、海南自由貿易港自用生産設備ゼロ関税政策税関実施弁法(試行)(税関総署公告 2021 年第 23 号)
2、中華人民共和国輸入食品国外生産企業登記管理規定(税関総署第 248 号令)
3、中華人民共和国輸出入食品安全管理弁法(税関総署第 249 号令)
4、越境 EC 小売輸入試行の拡大、監督管理要求の厳格実施に関する通知(商財発[2021]39 号)
5、海南自由貿易港建設の支持、市場参入基準の緩和の若干特別措置に関する意見(発改体改[2021]479 号)
6、金融面で海南深化改革開放を支持することに関する意見(銀発[2021]84 号)
7、個人の経常項目外貨業務便利化措置の促進に関する通知(匯発[2021]13 号)
8、“十四五”期科学革新支持のための輸入税収政策(財関税[2021]23 号)
9、小規模零細企業及び個人事業者の発展を支持するための所得税優遇政策に関する公告
(国家税務総局公告 2021 年第 8 号)
10、税務行政処罰「初回違反不処罰」事項リストの公布(国家税務総局公告 2021 年第 6 号)
11、小規模納税人の増値税免除問題に関する公告(国家税務総局公告 2021 年第 5 号)
12、研究開発費用税前加算控除政策に関する公告(財政部、税務総局公告 2021 年第 13 号)
13、2021-2030 年新型ディスプレイ産業発展を支持するための輸入税収政策に関する通知(税関税[2021]19 号)

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**【中国ビジネス・トレンド】**

以下の重要規定について解説します。

1、海南自由貿易港自用生産設備ゼロ関税政策税関実施弁法(試行)(税関総署公告2021年第23号)

海南自由貿易港とは、その範囲を海南島全域としており、全体計画である「海南自由貿易港建設総体方案」では、2025年までに企業が輸入する自己使用設備に対して“ゼロ関税” ネガティブリスト管理を実行することが重要任務とされていました。
この政策が2021年2月24日に「海南自由貿易港における自社用生産設備の“ゼロ関税”政策に関する通知(財関税[2021]7号)」として正式に公布され、海南自由貿易港に登記された独立法人格を有する企業が輸入する自己使用生産設備については、関税・増値税・消費税を免除すると規定されました。ただし、同通知においては、輸入申告方法などの詳細が明確になっていませんでした。
これが今回、財関税[2021]7号の実施細則として、「海南自由貿易港自己使用生産設備“ゼロ関税”政策税関実施弁法(試行)(税関総署公告2021年第23号)」が公布・施行(3月4日)され、本免税輸入措置の運用が正式に開始されました。

免税輸入措置の主な内容は以下となります。
(1)免税輸入措置の対象設備は、法律・規定で免税不可とされているもの、輸入禁止のもの、7号通知の添付資料「海南自由貿易港“ゼロ関税”自己使用生産設備ネガティブリスト」に列記されたものを除いた設備となります。

(2)当該輸入設備に対する税関の監督期間は3年間であり、この期間は規定に従って保管、使用をしなければならず、毎年6月30日以前に所在地税関に対して前年度の設備使用状況を報告する必要があります。

(3)破産などの理由で、税関監督期間内に当該設備を転売する必要がある場合、事前に主管税関に申請のうえ許可を得なければなりません。また、転売先が本政策の適用対象でない場合は、転売前に税関に申請し、且つ必要な輸入税を納税する必要があります。

輸入申告時の詳細手続は以下となります。
初回の自己使用設備の免税輸入を行うにあたっては、事前に「中国(海南)国際貿易単一窓口」経由で「ゼロ関税自己使用生産設備企業資格認証」を申請し、各行政機関の審査を経て資格を認められた企業のリストは、海口税関、海南省税務局に送られると同時に、申請者にも「中国(海南)国際貿易単一窓口」経由で申請結果が通知されます。
このように許可された企業が自己使用設備を免税輸入申告する際は、輸入報関単の「申告地税関」欄には「海口税関」の隷属税関、もしくは業務地の関区名称及びコードを記載します(三沙税関は含まない)。また、「征免性質」欄には「ゼロ関税自己使用設備(491)」、「監管方式」欄には「一般貿易(110)」、「征減免税方式」欄には「随征免性質(5)」、消費使用単位は申告企業名称を記載する必要があります。

原文:
http://sjs.customs.gov.cn/harbin_customs/467898/467899/3570147/index.html


2、中華人民共和国輸入食品国外生産企業登記管理規定(税関総署第248号令)

本規定は、同名規定(2012年公布、2018年改正)の最新版であり、中国国内向けに食品を輸出する国外の生産・加工・保管企業の登記管理に適用されるもので、2022年1月1日より施行されます。
現行規定からは、登記範囲、登記方法、税関審査方式、登記証書の有効期限(4年から5年に変更)、所在国(地区)主管部門の定義変更等に関して変更がありました。

原文:
http://www.customs.gov.cn/customs/302249/302266/302267/3625372/index.html


3、中華人民共和国輸出入食品安全管理弁法(税関総署第249号令)

本弁法の施行(2022年1月1日より施行)により、「2018年版・輸出入食品安全管理弁法」、「輸出蜂蜜検験検疫管理弁法」、「輸出入水産品検験検疫管理弁法」、「輸出入肉類製品検験検疫監督管理弁法」、「輸出入乳製品検験検疫監督管理弁法」、「輸出食品生産企業備案管理規定」が廃止されます。これら廃止される法律で規定されている商品の輸出入については、以降は本弁法に基づいて対応することとなります。

現行版と比べて、法律の適用範囲の拡大、輸入食品評価制度の明文化、テレビ会議審査方式の追加、輸入肉類、水産品の内外包装のラベルに関する新規規定の追加、輸出食品企業の食品安全管理制度に対する要求の完備化等について変更があります。

原文:
http://www.customs.gov.cn/customs/302249/302266/302267/3625391/index.html

**4、商務部、発展改革委員会、財政部、税関総署、税務総局、市場監督総局 越境EC小売輸入試行の拡大、監督管理要求の厳格実施に関する通知(商財発[2021]39号)**

本通知により、越境EC小売輸入の試行地域が、全ての自由貿易試験区、越境EC総合試験区、総合保税区、輸入貿易促進革新模範区、保税物流中心(B型)所在都市(及び区域)に拡大されました。

原文: [http://www.mofcom.gov.cn/article/b/fwzl/202103/20210303046247.shtml](http://www.mofcom.gov.cn/article/b/fwzl/202103/20210303046247.shtml)

**5、国家発展改革委員会、商務部 海南自由貿易港建設の支持、市場参入基準の緩和の若干特別措置に関する意見(発改体改[2021]479号)**

本意見では、医薬衛生領域市場への参入方式の革新(オンライン処方薬販売展開の支持、海南国産化ハイテク医療設備革新発展の支持、薬品市場参入の支持拡大、海南ハイテク医療美容産業の発展支持など)、金融領域市場への参入と発展環境の最適化(証券、保険、基金の海南での発展支持など)、文化領域への参入の緩和促進(海南国際文物芸術品交易中心の設立、オンラインゲーム産業の発展支持など)、教育領域への参入基準の緩和などの内容が記載されています。

原文: [http://www.mofcom.gov.cn/article/b/fwzl/202104/20210403050623.shtml](http://www.mofcom.gov.cn/article/b/fwzl/202104/20210403050623.shtml)

**6、中国人民銀行、中国銀行保険監督管理委員会、中国証券監督管理委員会、国家外貨管理局 金融面で海南深化改革開放を支持することに関する意見(銀発[2021]84号)**

本意見では、海南の改革開放を進めるための金融面における様々な政策が規定されています。 ・海南自由貿易港非金融企業(不動産企業と地方政府の融資プラットフォームを除く)の外債枠の上限を引き上げる。 ・海南自由貿易港内就業外国人の証券投資を含む国内投資を支持。 ・海南自由貿易港内で、条件を満たす非居住者による実需に基づいた不動産購入を認める。 ・人民元と外貨を組み合わせた銀行口座システムの試行を支持する、など。

原文: [http://www.safe.gov.cn/safe/2021/0409/18713.html](http://www.safe.gov.cn/safe/2021/0409/18713.html)

**7、国家外貨管理局 個人の経常項目外貨業務便利化措置の促進に関する通知(匯発[2021]13号)**

個人の経常項目外貨業務に対する利便化措置がいくつか規定されています。 ・留学費用のための外貨購入利便化(同一銀行にて年度利便化額度を占用しない留学費用の両替については重複審査せず、銀行は初回の申請状況に基づいて直接学校口座に振り込む) ・中国で就労する外国人の外貨購入手続の利便化(中国で就労する外国人が、その労働契約期間中に、再度同一銀行で合法的収入に基づく外貨購入を行う場合、銀行は重複審査しない) ・その他

原文: [http://www.safe.gov.cn/safe/2021/0402/18672.html](http://www.safe.gov.cn/safe/2021/0402/18672.html)

**8、財政部、税関総署、税務総局 “十四五”期科学革新支持のための輸入税収政策(財関税[2021]23号)**

・科学研究機構、技術開発機構、学校や図書館が輸入する、国内では生産できない、または性能要求を満たせない、科学研究・科学技術研究開発・教学のための用品は、輸入関税、増値税、消費税を免除する。 ・出版物輸入企業が科学研究機構、技術開発機構、学校や図書館のために輸入する書籍や資料は輸入増値税を免除する。

その他、科学研究機構、技術開発機構、学校や図書館、出版物輸入企業に関する定義などが規定されています。

原文: [http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n377/c5163589/content.html](http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n377/c5163589/content.html)

**9、小規模零細企業及び個人事業者の発展を支持するための所得税優遇政策に関する公告 (国家税務総局公告2021年第8号)**

本公告により、2021年1月1日から2022年12月31日の間、小規模零細企業の年間課税所得額の100万元を超えない部分に対して適用される税率が、以前の5%から2.5%(課税所得額×12.5%×20%)へ変更されました。

原文: [http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n362/c5163255/content.html](http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n362/c5163255/content.html)

**10、税務行政処罰「初回違反不処罰」事項リストの公布(国家税務総局公告2021年第6号)**

本リストにある違反行為の発生が初めてで、且つその結果が軽微であり、税務機関が発見する前に自主的に改めた、もしくは税務機関が命じた期限内に改めた場合は、行政処罰を与えないことが規定されています。

原文: [http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n810341/n810825/c101434/c5162954/content.html](http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n810341/n810825/c101434/c5162954/content.html)

**11、小規模納税人の増値税免除問題に関する公告(国家税務総局公告2021年第5号)**

・小規模納税人の合計月販売額が15万元を超えない場合(四半期納税の場合は、四半期販売額が45万元を超えない場合)、増値税を免除する。 ・小規模納税人の合計月販売額が15万元を超えるが、同期に発生した不動産販売額を控除すると15万元を超えない場合は、その商品・サービス・役務・無形資産の販売で得た売り上げについては増値税を免除する。

原文: [http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n359/c5162926/content.html](http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n359/c5162926/content.html)

**12、研究開発費用税前加算控除政策に関する公告(財政部、税務総局公告2021年第13号)**

同公告により、2021年1月1日より、製造業企業の研究開発活動において発生した研究開発費用は、無形資産を計上して償却する場合でも、経費として処理する場合でも、実際発生額の2倍を損金として処理することが認められます。

原文: [http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n810341/n810825/c101434/c5163160/content.html](http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n810341/n810825/c101434/c5163160/content.html)

**13、2021-2030年新型ディスプレイ産業発展を支持するための輸入税収政策に関する通知(税関税[2021]19号)**

2021年1月1日~2030年12月31日の間に、新型ディスプレイ部品生産企業が輸入する、国内で生産できないあるいは性能がニーズに応じていない自社生産用(研究開発用を含む)の原材料、消耗品とクリーンルーム関連システム、生産設備(輸入設備と国産設備を含む)部品、及び新型ディスプレイ企業の重要原材料、部品の生産企業が輸入する国内で生産できないあるいは性能がニーズに応じていない原材料、消耗品に対して、関税が免除されます。

原文: [http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n377/c5163350/content.html](http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n377/c5163350/content.html)

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**【MCHグループセミナー】**

皆様の中国ビジネスにお役立ていただけるよう、様々なプログラムをご用意しておりますので、この機会にぜひご参加をお願いいたします。

■ (無料)日本の銀行実務・インコタームズと中国の外貨管理(銀行マンはこう見る)

弊社グループ代表の水野真澄と、現在 MCH 会員様向けに定期配信中の「貿易・国際取引・外国為替ハンドブック」の執筆者、K International Intelligence 代表甲良親弘氏の共同講演会です。
日本と中国とのビジネスを、水野の専門分野である中国の外貨管理制度の解説に加え、日本側の銀行実務や貿易管理の視点からも分析することで、より深い理解や、日中両国の管理制度の比較による新たな発見が期待できる企画となっております。

開催日:5 月 21 日 (金)
会場:オンラインセミナー(Zoom ウェビナー)

講師:水野コンサルタンシーグループ代表 水野真澄、K International Intelligence 代表 甲良親弘氏

**■ 最新制度徹底解説!税関手続・保税区域・加工貿易
**
中国でのビジネス展開において、税関関連手続の理解は不可欠です。但し、税関手続きは、ここ数年で大きく変化しており、また、保税取引、E コマース、自由貿易協定などが絡むと、その理解は更に難しくなります。
今回は、「税関手続・保税区域・加工貿易」をテーマに、弊社グループ代表の水野真澄が全 4 回に分けて、具体例、実務運用例を交えて分かりやすく解説いたします。
ぜひ本セミナーにご参加のうえ、法律制度、実務運用のアップデートと、ビジネスに必要な知識の収集をいただければ幸いです。

開催日:6 月 9 日 (水) 第 2 回 6 月 16 日、第 3 回 6 月 23 日、第 4 回 6 月 30 日
会場:オンラインセミナー(Zoom ウェビナー)

講師:水野コンサルタンシーグループ代表 水野真澄

** ■ 中国の労働組合(工会)を知る~日系が押さえるべき要点と向き合い方
**
中国の労働組合(工会)は、従業員の権益を守るための組織ですが、「企業の発展に協力する」という役割も持っており、この工会と上手に向き合うことが、中国現地法人の経営における重要事項のひとつといえます。
ところが、この中国の工会が持つ役割や、その組織構成、企業側に要求されるサポート内容など、なかなか理解が難しい組織であるのも事実です。
今回のセミナーでは、Amazon 海外進出カテゴリの上位ランク常連である、日経 BP「中国駐在ハック」の著者・小島庄司氏を講師にお迎えし、中国の労働組合(工会)について、法律面、実務面から徹底解説いたします。
少しでも工会に対して不安な点がある皆さまは、ぜひ本講座をご受講いただければ幸いです。

開催日:5 月 20 日 (木)
会場:オンラインセミナー(Zoom ミーティング)

講師:小島(天津)企業管理咨詢有限公司総経理 小島庄司氏

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