【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.136
2020-12-26【中国ビジネス・トレンド】
**【速報】日中間のビジネストラック制度開始の現状と今後の見通し
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**■ 書籍 中国個人所得税の制度と実務
[**【中国ビジネス・トレンド】**]()
\*\*日中間のビジネストラック制度開始の現状と今後の見通し
** 11 月 30 日より、ビジネス目的の往来を対象とした「ビジネストラック制度」が、日本と中国との間にて正式に開始されました。
当該制度の概要は日本国外務省の HPに掲載されています。
但し、中国側の管理体制(ビザ申請、入国手続き、隔離施設、行動制限)に付いては、不明な点が多いため、状況を、関係各所(広州市外事弁公室、広州市商務局、上海市長寧区及び黄浦区の外事弁公室、広州白雲空港入国管理部門、日本の中国ビザ申請センター)に問い合わせましたので、その結果を、解説します。
尚、以下、中国側の呼称に合わせて、ファストトラックと記載します。
1.ファストトラックによる入国管理
日本国外務省の HP には、「ビジネストラックは、例外的に相手国又は本邦への入国が認められ、本邦活動計画書の提出等の追加的条件の下、相手国又は本邦入国後の 14 日間の自宅等待機期間中も、行動範囲を限定した形でビジネス活動が可能となる(行動制限が一部緩和される)、主に短期出張者用のスキームです。
なお、中国側措置はファストトラックと呼称します」と記載されています。
つまり、隔離免除(日本では自宅待機免除)ではなく、隔離期間中に、一定の活動を認める措置(隔離の延長線上の措置)である、というのが、政府機関の定義となっています。
中国で公布されている、「快捷通道実施環境管理の 10 の衛生学指導意見」には、以下の内容が記載されています。
(1)中国入国後、PCR 検査(日本出国前には PCR・抗体の二種検査だが、入国後は PCR のみ)が必要となり、48 時間の集中隔離を受ける。検査結果が陰性であり、且つ、同一便全員が陰性の場合、会社で業務が認められる。
(2)会社と隔離場所の往復は、会社は専用車・専用運転手の手配が必要(運転手の交代は認められず、同一人員である必要がある)。
(3)会社内には、「専用通路、専用エレベーター、専用執務場所(つまり、他の社員と接触しない環境)」の準備が必要で、他の社員との接触は認められない。
(4)会社は、専用ホテルの準備が必要であるが、そのホテルは、一般宿泊客と接触しない環境(専用通路・エレベーター等)を備えてなければいけない。出張者は、他の部屋の訪問は不可となる。
(5)会社は、オフィス付近に隔離者専用の食事場所を設営する。若しくは、デリバリーを取る。食事中の他人との接触と会話は禁止される。
この内容に基づけば、中国訪問後、14 日間は、隔離に準じた管理が継続されることが分かります。
この指導意見通りに、運用が実施されるかどうかは、現時点では不明ですが、この条件に基づけば、隔離場所から訪問できる先は、出張者専用の通路、エレベーター、業務場所の設置が要求されていますので、共同ビルなどでは対応が困難で、自社不動産を保有している企業に限定されそうです。また、認められる活動も、極めて制限が多い内容となっています。
**2.各地でのヒアリング
** 現時点では、管理運用の詳細が定まっておらず、確認できる情報が少ない状況ですが、上海、広州などでのヒアリング結果は、以下の通りです。
**1)広州
** 広州市では、すでにファストトラックの業務指南(案)を作成したとの回答がありましたが、外部には公布されておらず、内容は確認できませんでした。
ファストトラックに基づくビザ(KJ ビザ)の取得のためには、所在地の市商務局が発行した招聘状が必要となりますが、発行は、重要プロジェクトであり、緊急を要するケースに限定されるため、ハードルは高いとの回答です。
尚、宿泊場所に付いては、招聘元が手配した住居への宿泊が可能ですが、その場所は、検疫管理が完備されている必要があり、出張者の外出管理・定期 PCR 検査・隔離措置の実施状況などを管理するする必要がある。また、今後、防疫管理部門が条件を満たす住居やホテルなどのリストを作成する可能性があるとの回答がありました。
また、入国後の PCR 検査は、合計 3 回実施され(入国時、入国後 7 日目と 14 日目)、14 日目の検査に合格した場合、隔離解除証明が発行されます。
**2)上海市
** 上海市では、詳細は未定という回答であり、現時点では、明確な回答が得られませんでした。
以上
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第1部 基礎編
** 【執筆:税理士法人山田&パートナーズ 監修:水野真澄】
■ 個人所得税の基礎制度
- 居住者区分と課税範囲
(1)居住者・非居住者区分と課税範囲
(2)連続居住 6 年未満の特例
(3)日数のカウント
(4)租税条約における給与所得者の課税範囲
(5)居住者区分と課税範囲(まとめ) - 課税所得の計算
(1)9 つの所得種類
(2)所得区分
(3)免税所得
(4)必要経費の計算
(5)非居住者の課税所得の計算
(6)各所得の計算 - 基礎控除と特別控除
(1)基礎控除
(2)特別控除
(3)特別付加控除
(4)旧個人所得税法における外国人優遇政策
(5)基礎控除と特別控除
(6)給与所得者による特別付加控除の申請 - 税額計算と税率表
(1)総合所得の税率
(2)経営所得の税率
(3)総合所得と経営所得の比較
(4)その他の所得の税率
(5)外国税額控除 - 賃金給与所得の計算
(1)賃金給与所得に係る所得税
(2)賃金給与所得に係る所得税の計算例
(3)居住者と非居住者の賃金給与所得に係る税額計算の比較 - 源泉徴収方法
(1)源泉徴収義務者
(2)源泉徴収方法 - 外国人個人に対する課税方式
(1)外国人個人が非居住者である場合
(2)外国人個人の中国滞在が年間 183 日超である場合
(3)住所のない個人が高級管理者などである場合
(4)賞与の支給がある場合
(5)滞在日数と勤務日数
(6)租税条約に基づく住所を有しない個人への課税 - 2018 年改正前後の比較と優遇税制の経過措置(賞与など)
(1)年 1 回賞与の特例 - 確定申告
(1)対象期間及び期限
(2)対象者 - 滞納金と罰則
(1)税金の追徴・遡及期間
(2)延滞金・罰金
(3)奨励金**第2部 応用編
** 【執筆:税理士法人山田&パートナーズ 監修:水野真澄】
■ 個人所得税の応用実務 - 日中租税条約と個人所得税
(1)租税条約とは
(2)日中租税条約
(3)相互協議 - 中国の PE 課税
(1)PE とは
(2)日中租税条約における PE の範囲
(3)駐在員 PE - PE 認定の個人所得税課税への影響
- 非居住者の董事、総経理、駐在員事務所代表兼務
(1)非居住者が駐在員事務所の代表を兼務する場合
(2)非居住者が中国国内企業の総経理・副総経理を兼務する場合
(3)非居住者が中国国内企業の董事及び総経理を兼務する場合
(4)非居住者である役員が中国国内企業の董事を兼務する場合(高級管理者の兼務はしない) - 中国国内組織の兼務と個人所得税
(1)毎月の支給時の源泉徴収方法
(2)確定申告による年度申告の実施 - 退職金の課税
(1)日本及び中国における退職金の概念
(2)中国赴任期間中に日本本社より受け取った退職金に対する課税
(3)退職金の支給事例 - ストックオプション課税
(1)ストックオプションの定義と中国のストックインセンティブプラン
(2)上場企業の場合の中国ストックオプション税制適格要件と課税関係
(3)未上場企業の場合の中国ストックオプション税制適格要件と課税関係
(4)税制非適格ストックオプションの課税関係
(5)中国におけるストックオプションの届出制度 - 財産譲渡所得課税-株式
(1)未上場の中国国内株式
(2)上場の中国国内株式
(3)中国国外株式
(4)株式の財産譲渡所得のまとめ
(5)出資持分譲渡に係る行政手続 - 財産譲渡所得課税-不動産
(1)中国の不動産事情
(2)不動産譲渡に関する個人所得税 - 中国からの国外送金
(1)人民元から外貨への換金制限
(2)中国からの国外送金制限
(3)国外送金に必要な資料
(4)外国人が上海市の不動産を売却して得た資金を日本に送金する場合の手続例
(5)外国人が中国において相続により得た資金を日本に送金する場合の手続例
実務理解に役立つ Q&A【執筆:水野真澄】
Q1. 2019 年の個人所得税法改正の意義はなんでしょうか?
Q2. 2019 年の個人所得税法改正の外国人に対する影響はどのようなものでしょうか?
Q3. 外国人に対する家賃補助免税の注意点と打ち切りの影響を教えてください
Q4. 出張手当は課税所得ですか?
Q5. 中国の税務機関は国外源泉所得に対する課税に積極的ですか?
Q6. 税制改正により確定申告の意義は変わりましたか?
Q7. 会社員が役務報酬、原稿料などを受領した場合、どう申告すればよいでしょうか?
Q8. 外国税額控除は採用できるのでしょうか?
Q9. 日本で支払っている厚生年金・国民年金保険料の控除は認められますか?
Q10. 日本で本社採用された中国人が、中国で業務をする場合の注意点はありますか?
Q11. 非居住者の課税判定に関する日数カウントについて教えてください
Q12. 高級管理職はその他の社員と課税上の扱いが異なるのでしょうか?
Q13. 非居住者が無報酬で中国組織の董事となる場合、納税は必要でしょうか?
Q14. 日本居住者が中国組織の役職を兼務し、租税条約を適用する場合に行われる課税は?
Q15. 日本居住者が中国組織の役職を兼務し、租税条約を適用しない場合の個人所得税課税
Q16. 赴任・帰国年度の賞与はどう申告すればよいですか?
Q17. 中国国内の組織の役職を兼務する場合、個人所得税上の注意点はありますか?
Q18. 定年退職時に日本に帰国すべきでしょうか?
Q19. 人件費の対外送金制度について教えてください
Q20. PE(Permanent Establishment)認定と個人所得税課税はどう関係するのですか?
Q21. 183 日ルールの適用を受けるとき手続は必要ですか?
Q22. 大湾区(グレーターベイエリア)の個人所得税優遇について教えてください
**【お問い合わせ】
** 株式会社チェイス・ネクスト
メール:info@chasechina.jp
担当:横幕、杉山
**【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版発行者
水野コンサルタンシーホールディングス
WEB サイト** https://www.mizuno-ch.com
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