【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.135

2020-11-25
**【INDEX】

【中国ビジネス・トレンド】
**【速報】ビザ申請に必要な招聘状の発行状況について

**【水野真澄関連商品】
**■ 書籍 中国個人所得税の制度と実務


【中国ビジネス・トレンド】

ビザ申請に必要な招聘状の発行状況について

11 月 10 日付で配信いたしましたダイジェスト版 Vol.134 で、M ビザ、Z ビザの申請条件変更に関する 11 月 2 日付けの発表(有効期限が切れた居留許可保有者がビザを申請する際、省人民政府外事弁公室、或いは商務庁等の招聘状が必要な点が条件に明記された)についてご案内いたしました。

その後、上海市・広州市で関連のヒアリングを行いましたが、暫定的に、新規ビザの発行に必要となる招聘状の取得が難しくなっている状況が確認できましたので、概要を解説します。

1.本人(駐在員・出張者)

ビザの種類は、M(出張目的)と Z(就業目的)に分かれ、日本でビザを申請するためには、中国側で渡航目的に合わせた招聘状を取得する必要があります。

M ビザ申請のためには、「商業貿易」を目的とした招聘状、Z ビザ申請のためには、「就労」を目的とした招聘状と、工作許可通知証が必要です。

通常の地域では、Z ビザで中国に入国した場合に限り、工作証と居留許可の申請が認められます。一方、上海では、就労目的の招聘状を発行せず、「商業貿易」の招聘状に統合されています。よって、M ビザで入国した上で、工作証と居留許可の申請をする事が認められます。

**(1)上海
** 上海は、現時点で、商業貿易を目的とした招聘状が発行されています(上海市浦東新区外事弁公室)。また、11 月 16 日時点で、浦東新区外事弁公室に確認したところ、招聘状の発行状況は通常通りで、特に厳しくはなっていないとの回答でした。

**(2)広州
** 広州市では、広州市外事弁公室の内部通達により、現時点で、商業貿易を目的とした招聘状の申請を停止しています。また、就業目的の招聘状も厳しくなっており、緊急性がない場合(日本からでもオペレーションが可能と思われる場合)は、申請が受理されない可能性があります(広州市天河区・黄埔区商務局)。

**2.家族の申請

** 家族の申請については、2020 年 11 月 10 日時点の、駐日中国ビザ申請センターでの確認により、「必要書類が整えば、M ビザ・Z ビザ共に、家族の申請を認める」というものでした。

但し、その後、徐々に家族渡航のための招聘状を発行しない地域が出てきており、11 月 13 日段階の上海市・広州市の確認では、「原則、家族の渡航に関する招聘状は、目的を問わず(M・Z 共に)を発行しない」という回答でした。
よって、日本側のビザ申請受入れ体制にかかわらず、中国側での招聘状発行段階で、家族の渡航を制限している状況です。

但し、現時点で、有効な居留許可を保有している家族の渡航については、広州白雲国際空港・出入境辺防管理部の確認結果(11 月 12 日時点)では、「2020 年 9 月 23 日公布の、外交部・国家移民管理局の三種の有効な居留許可を有する外国人の入境の公告は、まだ有効であり、有効な居留許可を保有している家族(三種の居留許可の内、私人事務類居留許可が該当)については、入国を許可している」との回答でした。

以上の通り、ここにきて、本人・家族に対する招聘状の取得が厳しくなっています。状況も流動的であると思われるため、今後の状況を絶えず確認しながら行動する必要があります。

以上 **

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**【目次】
第1部 基礎編
** 【執筆:税理士法人山田&パートナーズ 監修:水野真澄】
■ 個人所得税の基礎制度

  1. 居住者区分と課税範囲
    (1)居住者・非居住者区分と課税範囲
    (2)連続居住 6 年未満の特例
    (3)日数のカウント
    (4)租税条約における給与所得者の課税範囲
    (5)居住者区分と課税範囲(まとめ)
  2. 課税所得の計算
    (1)9 つの所得種類
    (2)所得区分
    (3)免税所得
    (4)必要経費の計算
    (5)非居住者の課税所得の計算
    (6)各所得の計算
  3. 基礎控除と特別控除
    (1)基礎控除
    (2)特別控除
    (3)特別付加控除
    (4)旧個人所得税法における外国人優遇政策
    (5)基礎控除と特別控除
    (6)給与所得者による特別付加控除の申請
  4. 税額計算と税率表
    (1)総合所得の税率
    (2)経営所得の税率
    (3)総合所得と経営所得の比較
    (4)その他の所得の税率
    (5)外国税額控除
  5. 賃金給与所得の計算
    (1)賃金給与所得に係る所得税
    (2)賃金給与所得に係る所得税の計算例
    (3)居住者と非居住者の賃金給与所得に係る税額計算の比較
  6. 源泉徴収方法
    (1)源泉徴収義務者
    (2)源泉徴収方法
  7. 外国人個人に対する課税方式
    (1)外国人個人が非居住者である場合
    (2)外国人個人の中国滞在が年間 183 日超である場合
    (3)住所のない個人が高級管理者などである場合
    (4)賞与の支給がある場合
    (5)滞在日数と勤務日数
    (6)租税条約に基づく住所を有しない個人への課税
  8. 2018 年改正前後の比較と優遇税制の経過措置(賞与など)
    (1)年 1 回賞与の特例
  9. 確定申告
    (1)対象期間及び期限
    (2)対象者
  10. 滞納金と罰則
    (1)税金の追徴・遡及期間
    (2)延滞金・罰金
    (3)奨励金

    **第2部 応用編
    ** 【執筆:税理士法人山田&パートナーズ 監修:水野真澄】
    ■ 個人所得税の応用実務

  11. 日中租税条約と個人所得税
    (1)租税条約とは
    (2)日中租税条約
    (3)相互協議
  12. 中国の PE 課税
    (1)PE とは
    (2)日中租税条約における PE の範囲
    (3)駐在員 PE
  13. PE 認定の個人所得税課税への影響
  14. 非居住者の董事、総経理、駐在員事務所代表兼務
    (1)非居住者が駐在員事務所の代表を兼務する場合
    (2)非居住者が中国国内企業の総経理・副総経理を兼務する場合
    (3)非居住者が中国国内企業の董事及び総経理を兼務する場合
    (4)非居住者である役員が中国国内企業の董事を兼務する場合(高級管理者の兼務はしない)
  15. 中国国内組織の兼務と個人所得税
    (1)毎月の支給時の源泉徴収方法
    (2)確定申告による年度申告の実施
  16. 退職金の課税
    (1)日本及び中国における退職金の概念
    (2)中国赴任期間中に日本本社より受け取った退職金に対する課税
    (3)退職金の支給事例
  17. ストックオプション課税
    (1)ストックオプションの定義と中国のストックインセンティブプラン
    (2)上場企業の場合の中国ストックオプション税制適格要件と課税関係
    (3)未上場企業の場合の中国ストックオプション税制適格要件と課税関係
    (4)税制非適格ストックオプションの課税関係
    (5)中国におけるストックオプションの届出制度
  18. 財産譲渡所得課税-株式
    (1)未上場の中国国内株式
    (2)上場の中国国内株式
    (3)中国国外株式
    (4)株式の財産譲渡所得のまとめ
    (5)出資持分譲渡に係る行政手続
  19. 財産譲渡所得課税-不動産
    (1)中国の不動産事情
    (2)不動産譲渡に関する個人所得税
  20. 中国からの国外送金

(1)人民元から外貨への換金制限
(2)中国からの国外送金制限
(3)国外送金に必要な資料
(4)外国人が上海市の不動産を売却して得た資金を日本に送金する場合の手続例
(5)外国人が中国において相続により得た資金を日本に送金する場合の手続例

実務理解に役立つ Q&A【執筆:水野真澄】
Q1. 2019 年の個人所得税法改正の意義はなんでしょうか?
Q2. 2019 年の個人所得税法改正の外国人に対する影響はどのようなものでしょうか?
Q3. 外国人に対する家賃補助免税の注意点と打ち切りの影響を教えてください
Q4. 出張手当は課税所得ですか?
Q5. 中国の税務機関は国外源泉所得に対する課税に積極的ですか?
Q6. 税制改正により確定申告の意義は変わりましたか?
Q7. 会社員が役務報酬、原稿料などを受領した場合、どう申告すればよいでしょうか?
Q8. 外国税額控除は採用できるのでしょうか?
Q9. 日本で支払っている厚生年金・国民年金保険料の控除は認められますか?
Q10. 日本で本社採用された中国人が、中国で業務をする場合の注意点はありますか?
Q11. 非居住者の課税判定に関する日数カウントについて教えてください
Q12. 高級管理職はその他の社員と課税上の扱いが異なるのでしょうか?
Q13. 非居住者が無報酬で中国組織の董事となる場合、納税は必要でしょうか?
Q14. 日本居住者が中国組織の役職を兼務し、租税条約を適用する場合に行われる課税は?
Q15. 日本居住者が中国組織の役職を兼務し、租税条約を適用しない場合の個人所得税課税
Q16. 赴任・帰国年度の賞与はどう申告すればよいですか?
Q17. 中国国内の組織の役職を兼務する場合、個人所得税上の注意点はありますか?
Q18. 定年退職時に日本に帰国すべきでしょうか?
Q19. 人件費の対外送金制度について教えてください
Q20. PE(Permanent Establishment)認定と個人所得税課税はどう関係するのですか?
Q21. 183 日ルールの適用を受けるとき手続は必要ですか?
Q22. 大湾区(グレーターベイエリア)の個人所得税優遇について教えてください

**【お問い合わせ】
** 株式会社チェイス・ネクスト
メール:info@chasechina.jp
担当:横幕、杉山


**【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版発行者
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WEB サイト** https://www.mizuno-ch.com

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