【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版Vol.130

2020-09-29
**【INDEX】

【中国ビジネス・トレンド】
**以下の重要規定について解説します。

1.国家外貨管理局 経常項目外貨業務手引き(2020 年版)(匯発[2020]14 号)**2.一部輸出入貨物の監督管理手続きの調整に関する公告(税関総署公告 2020 年第 99 号)

** **3.企業設立に係るサービスの更なる最適化に関する市場監管総局等六部門の通知(国市監注[2020]129 号)
** 4.国務院 新たな時期における集積回路産業及びソフトウェア産業の高度発展を促す若干政策に関する通知(国発[2020]8 号)
5.商務部 サービス貿易のイノベーション発展試行の全面深化総体方案に関する通知(商服貿発[2020]165 号)
6.国務院弁公庁 対外貿易と外資の安定に向けた政策措置の着実な実施に関する意見(国弁発[2020]28 号)
7.「中国輸出禁止輸出制限技術目録」の調整に関する公告(商務部科技部公告 2020 年第 38 号)
8.交通運輸部 コールドチェーン物流チャンネルの新型コロナウイルス対策の更なる強化に関する通知(交運明電[2020]241 号)

**【水野真澄関連商品】
**■ 書籍 中国個人所得税の制度と実務


【中国ビジネス・トレンド】

以下の重要規定について解説します。

1.国家外貨管理局
経常項目外貨業務手引き(2020 年版)(匯発[2020]14 号)

経常項目の外貨業務に関する法規を統合し、一部の業務プロセス及び申請書類を簡素化すると同時に、関連規定 29 本が廃止されます。

例:
(1)「貿易外貨の受取・支払企業リスト」の登録手続に必要な提出書類を簡素化する。営業許可証及び申請書の提供のみで可能とする。
(2)「貿易外貨の受取・支払企業リスト」の登録変更、 抹消手続きを撤廃する。

原文:
http://www.safe.gov.cn/safe/2020/0831/17002.html

2.一部輸出入貨物の監督管理手続きの調整に関する公告(税関総署公告 2020 年第 99 号)

国務院の減税政策に基づき、企業の負担を軽減させるために一部の輸出入品の手続きを一部免除または簡略化することが規定されています。

例:
(1)輸入化粧品の通関手続きの際、中国関連部門が許可した衛生許可書類を取得したと宣誓することで、衛生許可書類の提出が免除される。
また、中国で衛生許可及び備案制度を実施しない化粧品は、製品の安全性を保証することで、公認機関が発行する安全性リスク物質についての安全性評価資料が免除される。
(2)輸入水産品の通関手続きをする際、受取人または代理人の原産地証明書の提出が免除される。

原文:
http://www.customs.gov.cn/customs/302249/302266/302267/3269604/index.html

3.企業設立に係るサービスの更なる最適化に関する市場監管総局等六部門の通知(国市監注[2020]129 号)

本通知により、企業設立に係るサービスの最適化が実施されます。
(1)2020 年末までに、全国各地においてオンラインによる企業設立手続きの対応を実現する。
(2)企業設立の所要時間を 4 営業日以内に短縮し、関連手続きを更に簡素化し、費用を更に引き下げる。
(3)電子営業許可証、電子発票、電子印鑑の利用を促進する。

原文:
http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n810341/n810755/c5155392/content.html

4.国務院
新たな時期における集積回路産業及びソフトウェア産業の高度発展を促す若干政策に関する通知(国発[2020]8 号)

本通知により、集積回路産業及びソフトウェア産業の発展を促すため、以下の大まかな政策が記載されています。
(1)財税政策、(2)投融資政策、(3)研究開発政策、(4)輸出入政策、(5)人材政策、(6)知的財産政策、(7)市場応用政策、(8)国際協力政策

原文:
http://www.gov.cn/zhengce/content/2020-08/04/content_5532370.htm

5.商務部
サービス貿易のイノベーション発展試行の全面深化総体方案に関する通知(商服貿発[2020]165 号)

本通知により、サービス貿易のイノベーション・発展を促す試行地域が、現行の 17 か所から 28 か所に拡大されました(大連、アモイ、青島、石家荘、長春、合肥、済南、昆明、ウルムチ等を追加)。
試行期間は 3 年間とし、主な内容は以下となります。
(1)海外法人の中国国内における NVOCC としての事業展開を認める。
(2)試行地域(海南、深セン、広州等)において海外事業者との越境医療保険商品の共同開発を支持する。
(3)試行地域において、高度人材の導入に向けてより開放的な出入国・在留制度を検討する。
(4)海外投資家が人民元で直接投資し、国内企業の国有持分の譲渡取引に参加することを支持する。
(5)試行地域における企業が、外国籍高度人材を含む従業員に対し、規定に基づき企業年金を導入することを奨励する。
など

原文:
http://www.mofcom.gov.cn/article/b/xxfb/202008/20200802992306.shtml

6.国務院弁公庁
対外貿易と外資の安定に向けた政策措置の着実な実施に関する意見(国弁発[2020]28 号)

本意見により、対外貿易と外資の安定について以下の通り規定されます。
(1)輸出信用保険の役割を発揮。
(2)条件を満たす地方の政府性信用保証機関が融資リスクの分担に参与し、輸出信用保険対象外の貸付金に対し一定の保証を提供することを奨励する。
(3)対外貿易企業への金融支援の強化。
(4)貿易業の新業態発展を支援する。
(5)東部と中西部、東北地域による加工貿易産業園区の共同建設。
(6)労働集約型対外貿易産業への支援策を強化する。
(7)大型基幹対外貿易企業への支援策を検討する。
(8)オンラインで展示会を開催することを支持、奨励する。
(9)通関便利化を高める。
(10)海外ビジネスパーソンの入国を便利にする。
(11)重点外資企業への金融支援を強化する。
(12)重点外資プロジェクトへのサービスサポートを強化する。
(13)より多くの外資をハイテク、ライフ分野に呼び込む。
(14)外資 R&D センターにハイテクイノベーション支援の優遇税制を適用しやすくする。

原文:
http://www.mee.gov.cn/zcwj/gwywj/202008/t20200813_793539.shtml

7.「中国輸出禁止輸出制限技術目録」の調整に関する公告(商務部科技部公告 2020 年第 38 号)

今回の調整には、輸出禁止技術 4 項目の削除、輸出制限技術 5 項目の削除、輸出制限技術 23 項目の追加、21 項目の技術の規制要点と技術パラメーターの修正が含まれています。
そのうち、コンピュータサービス業には、音声認識やテキスト認識、個人に適したコンテンツを推奨するためのデータ分析技術など、一部の人工知能技術に関する規制要点が追加されています。

原文:
http://www.mofcom.gov.cn/article/b/xxfb/202008/20200802996641.shtml

8.交通運輸部
コールドチェーン物流チャンネルの新型コロナウイルス対策の更なる強化に関する通知(交運明電[2020]241 号)

本通知により、以下の新型コロナウイルス対策がさらに強化されます。
(1)部門間の連携を強化する。
(2)コールドチェーン物流企業従業員の防護を強化する。
(3)輸送装備の消毒作業を重視する。
(4)関連情報の登記を着実に行う。

原文:
http://xxgk.mot.gov.cn/2020/jigou/ysfws/202008/t20200828_3457554.html **

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執筆 税理士法人山田&パートナーズ
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**【目次】
第1部 基礎編
** 【執筆:税理士法人山田&パートナーズ 監修:水野真澄】
■ 個人所得税の基礎制度

  1. 居住者区分と課税範囲
    (1)居住者・非居住者区分と課税範囲
    (2)連続居住 6 年未満の特例
    (3)日数のカウント
    (4)租税条約における給与所得者の課税範囲
    (5)居住者区分と課税範囲(まとめ)
  2. 課税所得の計算
    (1)9 つの所得種類
    (2)所得区分
    (3)免税所得
    (4)必要経費の計算
    (5)非居住者の課税所得の計算
    (6)各所得の計算
  3. 基礎控除と特別控除
    (1)基礎控除
    (2)特別控除
    (3)特別付加控除
    (4)旧個人所得税法における外国人優遇政策
    (5)基礎控除と特別控除
    (6)給与所得者による特別付加控除の申請
  4. 税額計算と税率表
    (1)総合所得の税率
    (2)経営所得の税率
    (3)総合所得と経営所得の比較
    (4)その他の所得の税率
    (5)外国税額控除
  5. 賃金給与所得の計算
    (1)賃金給与所得に係る所得税
    (2)賃金給与所得に係る所得税の計算例
    (3)居住者と非居住者の賃金給与所得に係る税額計算の比較
  6. 源泉徴収方法
    (1)源泉徴収義務者
    (2)源泉徴収方法
  7. 外国人個人に対する課税方式
    (1)外国人個人が非居住者である場合
    (2)外国人個人の中国滞在が年間 183 日超である場合
    (3)住所のない個人が高級管理者などである場合
    (4)賞与の支給がある場合
    (5)滞在日数と勤務日数
    (6)租税条約に基づく住所を有しない個人への課税
  8. 2018 年改正前後の比較と優遇税制の経過措置(賞与など)
    (1)年 1 回賞与の特例
  9. 確定申告
    (1)対象期間及び期限
    (2)対象者
  10. 滞納金と罰則
    (1)税金の追徴・遡及期間
    (2)延滞金・罰金
    (3)奨励金

**第2部 応用編
** 【執筆:税理士法人山田&パートナーズ 監修:水野真澄】
■ 個人所得税の応用実務

  1. 日中租税条約と個人所得税
    (1)租税条約とは
    (2)日中租税条約
    (3)相互協議
  2. 中国の PE 課税
    (1)PE とは
    (2)日中租税条約における PE の範囲
    (3)駐在員 PE
  3. PE 認定の個人所得税課税への影響
  4. 非居住者の董事、総経理、駐在員事務所代表兼務
    (1)非居住者が駐在員事務所の代表を兼務する場合
    (2)非居住者が中国国内企業の総経理・副総経理を兼務する場合
    (3)非居住者が中国国内企業の董事及び総経理を兼務する場合
    (4)非居住者である役員が中国国内企業の董事を兼務する場合(高級管理者の兼務はしない)
  5. 中国国内組織の兼務と個人所得税
    (1)毎月の支給時の源泉徴収方法
    (2)確定申告による年度申告の実施
  6. 退職金の課税
    (1)日本及び中国における退職金の概念
    (2)中国赴任期間中に日本本社より受け取った退職金に対する課税
    (3)退職金の支給事例
  7. ストックオプション課税
    (1)ストックオプションの定義と中国のストックインセンティブプラン
    (2)上場企業の場合の中国ストックオプション税制適格要件と課税関係
    (3)未上場企業の場合の中国ストックオプション税制適格要件と課税関係
    (4)税制非適格ストックオプションの課税関係
    (5)中国におけるストックオプションの届出制度
  8. 財産譲渡所得課税-株式
    (1)未上場の中国国内株式
    (2)上場の中国国内株式
    (3)中国国外株式
    (4)株式の財産譲渡所得のまとめ
    (5)出資持分譲渡に係る行政手続
  9. 財産譲渡所得課税-不動産
    (1)中国の不動産事情
    (2)不動産譲渡に関する個人所得税
  10. 中国からの国外送金
    (1)人民元から外貨への換金制限
    (2)中国からの国外送金制限
    (3)国外送金に必要な資料
    (4)外国人が上海市の不動産を売却して得た資金を日本に送金する場合の手続例
    (5)外国人が中国において相続により得た資金を日本に送金する場合の手続例

実務理解に役立つ Q&A【執筆:水野真澄】
Q1. 2019 年の個人所得税法改正の意義はなんでしょうか?
Q2. 2019 年の個人所得税法改正の外国人に対する影響はどのようなものでしょうか?
Q3. 外国人に対する家賃補助免税の注意点と打ち切りの影響を教えてください
Q4. 出張手当は課税所得ですか?
Q5. 中国の税務機関は国外源泉所得に対する課税に積極的ですか?
Q6. 税制改正により確定申告の意義は変わりましたか?
Q7. 会社員が役務報酬、原稿料などを受領した場合、どう申告すればよいでしょうか?
Q8. 外国税額控除は採用できるのでしょうか?
Q9. 日本で支払っている厚生年金・国民年金保険料の控除は認められますか?
Q10. 日本で本社採用された中国人が、中国で業務をする場合の注意点はありますか?
Q11. 非居住者の課税判定に関する日数カウントについて教えてください
Q12. 高級管理職はその他の社員と課税上の扱いが異なるのでしょうか?
Q13. 非居住者が無報酬で中国組織の董事となる場合、納税は必要でしょうか?
Q14. 日本居住者が中国組織の役職を兼務し、租税条約を適用する場合に行われる課税は?
Q15. 日本居住者が中国組織の役職を兼務し、租税条約を適用しない場合の個人所得税課税
Q16. 赴任・帰国年度の賞与はどう申告すればよいですか?
Q17. 中国国内の組織の役職を兼務する場合、個人所得税上の注意点はありますか?
Q18. 定年退職時に日本に帰国すべきでしょうか?
Q19. 人件費の対外送金制度について教えてください
Q20. PE(Permanent Establishment)認定と個人所得税課税はどう関係するのですか?
Q21. 183 日ルールの適用を受けるとき手続は必要ですか?
Q22. 大湾区(グレーターベイエリア)の個人所得税優遇について教えてください

**【お問い合わせ】
** 株式会社チェイス・ネクスト
メール:info@chasechina.jp
担当:横幕、杉山


**【水野コンサルタンシー中国ビジネス情報】ダイジェスト版発行者
水野コンサルタンシーホールディングス

WEB サイト** https://www.mizuno-ch.com

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