【質問4】保税区の生産型企業が国内流通権を取っても、他社商品取り扱いに関する増値税還付は受けられないと聞いたが本当か。

2009-02-06

外高橋保税区・物流園区関連Q&A

2007 年 2 月 6 日に行われた、外高橋保税区・物流園区とのQ&Aの内容をご紹介します。
解説は水野真澄によるものです。

【質問4】
保税区の生産型企業が国内流通権を取っても、他社商品取り扱いに関する増値税還付は受けられないと聞いたが本当か。
これでは、生産型企業が国内流通権を取得する事に困難が生じる事となるが。

外高橋保税区関係者の回答:

商務部令 2004 年第 8 号「外商投資商業領域管理弁法」及び商資函[2005]9 号「商務部の外商投資非商業企業の流通経営範囲増加に関する関連問題の通知」」関連規定により、香港特別行政区、マカオ特別行政区、台湾地区を除き、中国国内の省、自治区、直?市に設立した生産加工型企業を含むすべての外商投資非商業企業が、法律に従い「流通経営範囲の追加」が可能になった。
一方、現在では税務機関の企業輸出還付相関規定では、輸出還付方式は生産加工型企業方式と貿易型企業方式の二種類しか設けられていなく、輸出還付申請の際、そのいずれ一つを適用しなければならないと規定されている。
なお、ここで強調したいのは、一般的には国家及び地方政府が企業をバックアップするという観点では、生産加工型企業の方が貿易企業よりはるかに重要性が高いとされている。
税務上のバックアップを受けるためには、現在の税務規定に従い、生産加工型企業として認定を受ける必要があり、認定の重要条件は自家製製品の販売収入が販売額の 50%を超えるかどうかである。
上述の二点を纏めると、貿易業務が相当の割合を占めるときは、新しく貿易企業を設立し、業務を行うことを勧める。

解説(水野):

まずご説明しなくてはいけないのは、「ご質問があった問題は、保税区特有の問題ではなく、区外でも同様の問題である」という事です。

流通規制の緩和により、制度上は非商業企業が営業範囲を追加して流通権を取得する事ができるようになりました。
但し、兼業を行う場合は増値税課税・還付政策上の問題が生じます。
つまり、生産型企業の計算式(免税・控除・還付方式)と、商業企業形式の二種類を併用する事が認められず、一種類を選択しなくてはならない事となります。
よって、どちらかの形態の増値税輸出還付(生産型企業型を選んだ場合は、卸売り流通に関する増値税還付)が認められない事になってしまい、これが最大の問題点となります。
これは、前述の通り、保税区に限定した話ではなく区外でも同様の状況です。
よって、生産型企業と販売会社の兼業(既存の生産型企業の免許を拡大し、国内流通権を取得する方法)は避けた方がよいと言えるでしょう。