【Mizuno-CH中国・ベトナムビジネス情報】ダイジェスト版Vol.53(2021年7月20日発行)

2021-08-13

【水野コンサルタンシー中国・ベトナムビジネス情報】ダイジェスト版 Vol.53 (2021 年 7 月 20 日発行)

【中越ビジネスマニュアル 第 53 回】

中国・ベトナムにおける外資企業の移転について

外資企業の移転には、どの様な注意点があるのでしょうか。中国とベトナムのポイントを解説します。

■ 中国の場合

中国では、ここ数年、企業の拡張・縮小、立ち退き要請等を理由として、企業移転の実例が非常に多いです。企業の移転が、同一市内、かつ、同一区内であれば、大きな問題は、あまり生じませんが、区を跨ぐ場合、対応が難しくなります。

なお、市を跨ぐ移転は、実例が全くない訳ではありませんが、不可能に近い状況と言ってよく、新設・閉鎖方式の採用が現実的な選択肢となります。

<1> 区外移転が難しい理由

企業の区外移転が難しい主たる理由は、税務登記の移転です。

税務登記の変更は、登記をそのまま移動するのではなく、既存の税務登記をまず抹消し、その上で、移転先の所管税務機関で、新規の登記を行うことになります。

新規の税務登記は、数日で手続できますが、その前の既存の税務登記抹消が難しく長期化するケースがあります。これは、徴税単位が区単位であるため、区外移転は、税務機関にとっては、課税権の喪失を意味します。よって、優良企業(納税額が多い企業)ほど難しく、申請が受理されるまでに2~3年を要する事例も少なくありません。区外移転を計画する際には、所管税務機関での事前確認が非常に重要です。

<2> 実務的な手法

市・区をまたぐ移転が、上記の通り困難であることから、移転先に法人を新設し、営業譲渡(資産・人員の移管)を行った上で、既存の会社を清算する方法が、代替案となります。

当然、資産の少ないサービス業に比べて、生産型企業の場合、設備・不動産の移管手続が伴いますので、手続は煩雑になります。

例えば、(実質的な)移転先での会社設立に際して、工業用地の購入・賃借、環境アセスメント、設備の移管、消防検査などの手続が必要になりますし、加工貿易企業の場合は、加工貿易許可(加工貿易手冊)の新規取得が必要となります。

なお、既存企業に保税・免税輸入設備がある場合、区を跨ぐと保税・免税形態での設備移転(設備転廠)はできませんので、税関監督を解除した上で、国内売却する必要があります。

■ ベトナムの場合

ベトナムにおいても、企業の拡張・縮小、立ち退き要請等を理由として、企業移転の実例は多くあります。企業の移転が、同一市内・省内であれば、大きな問題は、あまり生じませんが、市・省を跨ぐ場合、対応が難しくなる点も中国同様です。

なお、市・省を跨ぐ移転は、移転の前提となる税務確定申告のタイムスケジュールが税務局の一存となるため、新設・閉鎖方式の採用も現実的な選択肢となります。

<1> 市・省外移転が難しい理由

企業の市・省外移転が難しい主たる理由は、税務登記の移転です。

税務登記の変更は、登記をそのまま移動するのではなく、既存の税務登記をまず抹消し、その上で、移転先の所管税務機関で、新規の登記を行うことになります。

新規の税務登記は、原則として3営業日以内で手続できますが、その前の税務登記抹消が難しく長期化するケースがあります。これは、税務登記抹消に際しては確定申告を行う必要があり、会社清算時と同等の税務調査が行われるからです。また、多額の追徴課税が見込まれるようなケースでない限り、税務局による迅速な対応も期待できません。

<2> 実務的な手法

市・省をまたぐ移転が、上記の通り困難であることから、移転先に法人を新設し、営業譲渡(資産・人員の移管)を行った上で、既存の会社を清算する方法が、代替案となります。

当然、資産の少ないサービス業に比べて、生産型企業の場合、設備・不動産の移管手続が伴いますので、手続は煩雑になります。

例えば、(実質的な)移転先での会社設立に際して、工業用地の購入・賃借、環境アセスメント、設備の移管、消防検査などの手続が必要になりますし、輸出加工型企業が、輸出加工区外において、輸出加工ライセンスを取得するためには、別途手続きが必要となります。

なお、市・省を跨ぐ保税・免税形態での設備移転は可能であり、輸出加工ライセンスを有する企業間の取引では保税・免税が維持されます。

以上


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