【Mizuno-CH中国・ベトナムビジネス情報】ダイジェスト版Vol.25 (2019年5月20日発行)
2019-11-28【水野コンサルタンシー中国・ベトナムビジネス情報】ダイジェスト版 Vol.25 (2019 年 5 月 20 日発行)
【中越ビジネスマニュアル 第 25 回】
中国・ベトナムにおける外資企業の配当
中国・ベトナムに設立した外資企業の、出資者に対する配当について解説します。
【中国の場合】
<1> 配当可能額
中国の場合、会計年度が暦年に限定されます。
企業は、会計年度終了後(12 月末)、会計監査を行い、翌年5月末までに企業所得税の確定申告を行った後、董事会を開催し、利益処分を決定する事ができます。
利益処分に際しては、まず、三項基金と呼ばれる法定準備金(準備基金・企業発展基金・福利基金)の積み立てが必要となりますが、このうち、積立額が規定されているのは、準備基金のみであり、その他は、董事会で積立金額を決定する事ができます(100%外資企業の場合は、準備基金以外の積み立ては強制されない)。
準備基金は、積立額が資本金の 50%に達するまで、当該期の純利益(税引後利益)の最低 10%を積み立てる必要があります。よって、積立額がその基準(資本金の 50%)に達するまでは、毎期の純利益の 10%は、配当可能利益から除外されます。
こうして、三項基金を積み立てた後の利益は、全額配当が可能ですし、前期までの繰越利益(配当可能額のうち、あえて配当せずに、企業内留保をしてあった金額)があれば、その部分も含めて配当可能です。
<2> 対外送金手続
配当送金・外貨への換金に際して必要となる書類は、以下の通りです。
1)確定申告書
2)利益処分に関する菫事会決議書
3)配当金額がUS$5万を超過する場合は、所管税務機関での備案書
4)その他銀行が要求する書類
なお、配当金額がUS$5万を超過する場合は、「所管税務機関での備案書(実質的な送金許可)」と、会計監査報告書の提示が必要です(匯発[2013]30 号・匯発[2016]7号)。
また、配当は、外貨・クロスボーダー人民元のいずれの方法でも送金可能です。
【ベトナムの場合】
<1> 配当可能額
ベトナムの場合、会計年度末が3月末、6月末、9月末、12 月末に限定されます。
企業は、会計年度終了後、会計監査を行い、決算日から 90 日以内に法人税の確定申告を行った後、社員総会・株主総会を開催し、利益処分を決定する事ができます。
利益処分に際しては、特に法定準備金の積み立ては求められていませんので、累積損失および未納税額がなければ、利益の全額配当が可能です。前期までの繰越利益(配当可能額のうち、あえて配当せずに、企業内留保をしてあった金額)があれば、その部分も含めて配当可能となります。
<2> 対外送金手続
配当送金・外貨への換金に際して必要となる書類は、以下の通りです。
1)確定申告書
2)監査報告書
2)利益処分に関する社員総会・株主総会決議書
3)所轄税務機関への利益の海外送金にかかわる通知書
4)その他銀行が要求する書類
なお、ベトナムドンのクロスボーダー取引は認められていませんので、配当は外貨送金のみ可能です。
以上
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